歯列矯正はほうれい線ができる?目立つケースと対策を紹介

「歯列矯正治療をするとほうれい線ができるのではないか」と疑問に思いませんか?

濃くなっていくほうれい線に対して、歯並びとの関係について考えたことがある人は少なくないでしょう。

歯列矯正治療をすることで、ほうれい線が薄くなったり、逆にほうれい線が濃くなったりといったケースをよく聞き、混乱してはいませんか?

他にも以下のような疑問や不安を抱えていませんか?

  • 「歯列矯正とほうれい線はどのような関係があるの?」
  • 「本当に治療をしたら濃くなったり、薄くなったりするの?」
  • 「そもそもほうれい線は何が原因なのか知りたい」

ほうれい線の主な原因は皮膚のたるみで年齢やその他のさまざまな要因が絡み合って、発生している状態です。

そして皮膚をたるませたり、逆に張らせる要因の中に歯列矯正が考えられるでしょう。

たとえば、出っ歯の人が正しい歯並びを得ると伸びてしまっている鼻下や顎下の皮膚が余ってしまい、ほうれい線が濃く見えるというケースがあります。

ただし、歯列矯正は本来歯並びを正しくするための治療なので、ほうれい線と直接的な関係は無く、歯列矯正によってほうれい線が変化したというケースは少ないです。

そこで今回は以下のトピックについて解説します。

  • 歯列矯正をしたらほうれい線はできる?
  • 歯列矯正でほうれい線に注意が必要なケース
  • ほうれい線が濃くなる原因
  • 歯列矯正でほうれい線が消えた場合
  • ほうれい線のセルフケア方法

この記事は歯列矯正とほうれい線の関係について、歯列矯正とほうれい線の特徴、さらに歯列矯正をしてしまうとほうれい線が濃くなる可能性のある特徴についても解説します。

巷で言われているほうれい線と歯列矯正の関係や、少しでもほうれい線や歯並びを改善したい方はぜひ参考にしてください。

歯列矯正をご検討中の方はお気軽にご相談ください!

歯列矯正をしたらほうれい線はできる?


歯列矯正の治療をおこなっても基本的にほうれい線が濃くなることや薄くなったりするケースはありません。

なぜなら、歯列矯正は歯並びを整える治療であって、ほうれい線が濃く見えるかどうかの原因となる皮膚のたるみには直接的に関係がないからです。

ただし、抜歯をした場合は出っ歯の方が歯列矯正をおこなう場合だと、歯が正しい位置に戻ったことにより皮膚が余ったり足りなくなったりと変化します。

そのため、個人差はあるものの、場合によっては歯列矯正によってほうれい線の濃さが変化する可能性があることは覚えておきましょう。

歯列矯正でほうれい線に注意が必要なケース


歯列矯正でほうれい線に注意が必要なケースとして、主に以下の3つには注意が必要です。

これらのケースはほうれい線の原因である皮膚のたるみに直接かかわってくるので、自分が当てはまっているのかを理解しておきましょう。

出っ歯である

歯列矯正によってほうれい線が濃くなる可能性があるのは出っ歯であるケースです。

出っ歯で前歯が出ている分、鼻の下の皮膚が伸びている状態なので、歯列矯正によって元の位置に歯を戻した場合、皮膚が余ってしまいます。

そのため、頬と鼻の境界線が目立ってしまい、ほうれい線が濃くなってしまうといった現象が発生するでしょう。

もちろん歯があまり出っ張っていなかったり、顔全体の骨格とのバランスによっては出っ歯によるほうれい線が目立たないです。

まずは歯科医師に相談して矯正治療をするとどれくらいの皮膚が余るのか聞いてみましょう。

関連記事:歯列矯正をすると歯茎は引っ込む?3つの治療方法を紹介

八重歯である

八重歯も歯列矯正によってほうれい線に影響が出る可能性があります。

実は八重歯があると噛み合わせが悪化しやすく、それにより表情筋が衰え、ほうれい線が目立ちやすいです。

その他にも、八重歯があると上唇が少し捲れて頬と口横の境目が目立ちやすくなったり、口呼吸になりやすいことからも、ほうれい線が形成されやすいので注意しましょう。

抜歯をする

歯列矯正をするとほうれい線に影響を及ぼすケースとして抜歯が考えられます。

ただし、抜歯によってほうれい線が濃くなってしまうのは本来口元の突出感が無いにもかかわらず、抜歯をしてしまった場合だけです。

そのため、3DCTやセファロ画像を使った適切な治療計画のもとに治療がおこなわれていれば抜歯をしていてもほうれい線が濃く見えることはありません。

抜歯をする必要があるかどうかは歯を動かすスペースの有無の問題ですので、歯科医師に相談してスペースがあると判断されれば関係がないので安心しましょう。

関連記事:歯列矯正で抜歯を後悔する4つの理由|抜歯が必要なケースとは?

ほうれい線が濃くなる原因


ほうれい線が濃くなる原因としては主に以下の3つが挙げられます。

原因によってはほうれい線を改善することが大変なものもありますが、適切な対処法をとって改善していくためにもまずは自分のほうれい線の原因を知りましょう。

コラーゲンとエラスチンの劣化・減少

ほうれい線が濃くなる原因としてコラーゲンとエラスチンの劣化や減少が挙げられます。

コラーゲンとは肌の強度を司り、伸び縮みしない代わりに引っ張る力に強いたんぱく質です。

そしてエラスチンとは力を外すと元に戻るといった伸縮性を持つたんぱく質で、肌のハリはコラーゲンとエラスチンの割合によって決まってきます。

これらのたんぱく質がそもそも劣化していたり、減少していたりすると、ほうれい線が濃く見える以外にも、肌がたるんできたりシミが目立ったりといった症状が発生するので注意しましょう。

脂肪組織の構造の劣化

肌の脂肪組織の構造の劣化もほうれい線が濃くなる原因です。

脂肪組織の劣化とは、太っていた状態から、ダイエットによって痩せて体重の増減を繰り返すことで引き起こされます。

体脂肪の構造が激しく、何度も繰り返していると徐々に変化しきれなくなり、その結果として皮膚が徐々にたるんでいくでしょう。

特に短期間で過度に体重を増減させたりすると、脂肪組織に強い負荷をかけるので、ダイエットにも興味がある方はゆっくり時間をかけて体重を落とすようにしなければなりません。

表情筋の委縮

ほうれい線が濃くなる原因として表情筋の委縮も考えられるでしょう。

表情筋とは顔全体のさまざまな箇所を動かすための筋肉で、皮膚のすぐ下に位置しています。

そのため、表情筋が何らかの理由によって衰えた場合、連動して顔全体の皮膚も下がってしまうので、ほうれい線が濃くなるように見えてしまうでしょう。

関連記事:歯列矯正で老けた顔になる?原因と対処方法を紹介

歯列矯正でほうれい線が消えた場合は、表情筋が鍛えられた可能性が高い

一般的に歯列矯正によってほうれい線が消えたというケースは少ないですが、薄くなるとすれば歯列矯正後に表情筋が鍛えられたという可能性があります。

特に表情筋が鍛えられたという方に多い背景であるのが、歯並びが悪いことから自分に自信が持てずにあまり笑ったり、口を大きく開けないという方です。

こういった方達であれば歯列矯正によって綺麗な歯並びを手に入れ、笑顔が増えて普段使っていなかった表情筋が鍛えられて結果的にほうれい線が目立ちにくくなることがあります。

ただし、あくまで可能性であって、本来歯並びを整える治療の歯列矯正がほうれい線に大きな影響を与えることは少ないです。

ほうれい線のセルフケア方法


ほうれい線は筋肉のたるみが原因なのでマッサージやエクササイズで表情筋を鍛えれば予防と改善ができます。

歯列矯正中でもトレーニング可能な方法を紹介するので、矯正中でほうれい線が気になってきている方はぜひ参考にしてください。

表情筋のマッサージ

表情筋のマッサージは非常に種類があり、それゆえにマッサージ方法によって効果が出る部位が変わってきます。

たとえば、小鼻の横に人差し指の第二関節を押し当てながら、内から外に滑らせるように5回程度流すとむくみが改善されます。

他にも丸めた手の第二関節を頬骨のラインに沿って強く押し当て、クルクルと円を描くように回すと血行を促進してくれます。

たるみやむくみ、その他の悩みにも効果的なマッサージ方法が無数にあるので、自分の改善したい部分があるならまずは調べてみるといいです。

表情筋のエクササイズ

表情筋のエクササイズにも種類が多く、自分に合った方法を選ばなくてはなりません。

たとえば、口全体を大きく動かしながら「あ、い、う、え、お」をそれぞれ5秒程度キープしながら発音していく方法があります。

また口を閉じた状態で舌を回し上下の歯茎やほうれい線の部分を内側からなぞることで舌と舌に連動した筋肉が鍛えられ、ほうれい線だけでなく二重顎の改善が望めるでしょう。

他にも、空のペットボトルを咥えて頬が凹むくらい息を吸い込み、5秒かけて吐き出す方法も表情筋の効果が高く、心肺機能も鍛えられておすすめです。

まとめ

歯列矯正は歯並びを正しくするための治療なので、皮膚のたるみが関係するほうれい線とは基本的に関係がありません。

一般的にほうれい線とは皮膚のたるみで、コラーゲンとエラスチンの減少や脂肪組織の構造の劣化など、年齢を重ねると避けられない要素も含まれています。

そのため、ある程度ほうれい線に関しては仕方がないと割り切り、紹介したような表情筋のマッサージをおこなうことが最も効果的です。

しかし、出っ歯や八重歯、抜歯をして歯列矯正を始めた場合だと、歯列矯正をした際に新たにスペースができてしまうので、皮膚があまってほうれい線が濃くなる可能性があります。

このように改善するのか自身で判断するのが難しいので一度歯科医院に足を運び、歯列矯正をおこなってもほうれい線が濃くなる可能性があるのかを確かめてみるといいでしょう。

歯並びよりもほうれい線を先に対処したい場合もあるため、歯科医師に相談してみるのはおすすめです。

歯列矯正をご検討中の方はお気軽にご相談ください!

平山脩

コラム監修者

はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック 院長 平山脩
岡山大学歯学部卒業後、岡山大学病院総合歯科に勤務。その後、大阪市内の歯科医院に勤務し、はぴねす歯科緑地公園駅前クリニックに勤務。2022年11月、はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック院長に就任。