口ゴボの矯正治療

口ゴボとは

「口ゴボ」とは、口元が前に突出している状態を指します。具体的には、横顔を見た時に唇が鼻先と顎を結ぶEラインよりも前に出ている状態を指します。
突出している状態は審美的に好ましくないと考えられることが多く、見た目にコンプレックスを感じる人もいます。
医学的には「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」、「上下顎前突(じょうかがくぜんとつ)」と呼ばれる症状が元になっている場合が多いです。

口ゴボの原因

口ゴボは主に2つの原因が考えられます。

  • 先天的な要因
  • 後天的な要因

先天的な要因

口ゴボの「先天的な要因」には主に遺伝や骨格の問題があります。
遺伝の場合、親や家族の特徴を受け継ぐことがあります。例えば、親が口ゴボの特徴を持っている場合、子供も同じ特徴を持つ可能性があります。

また、骨格に関連する要因としては、上顎の骨格が大きすぎる、下顎の骨格が小さい、または顎が前方に出ているなどがあります。これらの骨格の特徴は、個人の顔の形状に影響を与え、結果として口元が突出する原因となります。

後天的な要因

「後天的な要因」とは、生まれた後に環境や習慣などによって発生する要因を指します。

口ゴボに関連する後天的な要因

  • 長期間にわたるおしゃぶりや指しゃぶり
  • 舌の癖(舌を前に押し出す癖など)
  • 口呼吸など

口ゴボの要因となる悪習慣は、歯並びや顎の成長に影響を与え、結果的に口元が前に突出する原因となることがあります。

特に幼少期の習慣は、成長している顎の骨に大きな影響を及ぼすため、口ゴボを含む歯並びの問題に繋がりやすいとされています。悪習慣を早期に改善することで、口ゴボの進行を防ぐことが可能です。

口ゴボを治療するメリット

口ゴボを治療するメリットは主に5つあります。

  • コンプレックスを解消できる
  • 歯磨きをしやすくなる
  • 口を閉じやすくなる
  • 噛み合わせが良くなる
  • 顎関節への負担を減らせる

コンプレックスを解消できる

口ゴボを治療する最大のメリットは、コンプレックスを解消できることです。

口ゴボとは、口元が前に突出している状態を指し、多くの人が見た目に関するコンプレックスを感じています。

治療によって口元の突出が改善されると、理想的なEラインを得ることができ、美しい横顔を作り出す重要な要素となります。

歯磨きをしやすくなる

口ゴボの状態では、口元が前に突出しているため、歯ブラシが奥歯や歯の裏側に届きにくくなりがちです。このため、歯垢が残りやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。

治療によって口元の突出が改善されると、歯ブラシが歯全体に届きやすくなり、歯磨きの効率が良くなります。

結果、口腔内の清潔を保ちやすくなり、虫歯や歯周病などのリスクを減らすことができます。また、歯ブラシが届きにくい部分の清掃が容易になることで、口臭の予防にもつながります。

口を閉じやすくなる

口を閉じやすくなることで、口腔内の健康状態も良好に保つことができます。口が開いていると、乾燥しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

また、口を閉じることが難しいと、無意識のうちに顎に余計な力がかかり、顎関節に負担をかけることにもなります。

口が閉じにくい状態が長く続くと、顎関節症や顔の筋肉に疲れがたまりやすくなる可能性があります。したがって、口ゴボの治療により口を閉じやすくすることは、顎関節の健康や顔の筋肉のバランスを保つ上でも重要です。

噛み合わせが良くなる

噛み合わせが改善されると、食べ物を効率的にかみ砕くことができるようになり、消化に良い影響を与えます。
正しい噛み合わせは歯と歯茎の健康を保つのにも役立ちます。
不正な噛み合わせが長く続くと、歯の過度な摩耗や歯茎の問題が起こりやすくなりますが、改善することでリスクを減らすことができます​​。

さらに、顎関節への負担が軽減されるため、顎関節症のリスクを下げることができます。顎関節症は、顎の痛みやかみ合わせの問題を引き起こすことがあり、日常生活に影響を及ぼすことがありますが、噛み合わせが良くなるとこれらの問題の発生を防ぐことができます​。

口ゴボを放置するデメリット

口ゴボを放置するデメリットは主に3つあります。

  • 見た目のコンプレックスになる
  • 虫歯や歯周病のリスクが高まる
  • 顎に負担がかかる

見た目のコンプレックスになる

口ゴボが原因で鼻の下が長く見えたり、口周りが膨らんで見えることがあります。笑ったときに出っ歯が目立つこともあり、自己イメージに影響を与えることがあります​​。

見た目の問題は、特に社交的な場面で自信を損なう要因となり、コミュニケーションを取る際に不安を感じることがあります。

また、見た目に関するコンプレックスは、日常生活のさまざまな側面に悪影響を及ぼす可能性があり、精神的なストレスや社会的な引きこもりにつながることもあります。

虫歯や歯周病のリスクが高まる

口ゴボの状態では、上下の歯が適切に重なり合わないため、歯磨きが難しくなり、歯垢の除去が不十分になりがちです。

歯垢は虫歯や歯周病の主な原因となる細菌の蓄積を促進します。

特に、口元が突出していると、ブラシの毛が歯や歯茎のすみずみまで届きにくくなり、清掃が行き届かない部分ができやすくなります。

また、口ゴボの状態はしばしば口呼吸につながり、口腔内の乾燥を引き起こし、唾液の自然な洗浄作用が弱まります。

唾液は口腔内の細菌を洗い流し、酸性度を中和する役割があるため、その量が減少すると虫歯や歯周病のリスクが増加します。

顎に負担がかかる

口ゴボを放置すると、顎に過剰な負担がかかるリスクがあります。口ゴボの状態では、正常な噛み合わせが妨げられ、顎関節や顎の筋肉に不自然な圧力を加えることになります。

特に、出っ歯が原因で口ゴボになっている場合、顎に大きな負担がかかることがあり、長期にわたると顎関節症や顎の疲労、痛みの原因となることがあります​​​​。

また、噛み合わせの悪さは顎関節に負担をかけ、顎関節症などの慢性的な問題を引き起こす可能性があります。顎関節症は、顎の動きに影響を及ぼし、食べ物を噛むこと、話すこと、あくびをすることさえも困難になることがあります

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口ゴボの治療方法

口ゴボの治療方法は主に4つです。

  • ワイヤー矯正
  • マウスピース矯正
  • 部分矯正
  • 小児矯正(子供)

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正では、歯の表面にブラケット(小さな金属やセラミックの固定具)を接着し、ワイヤーでつないで歯を徐々に動かしていきます。ワイヤー矯正は、長い歴史がある治療方法で、多くの症例に対応可能です。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の矯正装置を用いて、歯を徐々に理想の位置へと動かしていきます。マウスピースは取り外しが可能で、日常生活に大きな影響を与えにくいのが特徴です。

部分矯正

部分矯正は、特定の歯だけを対象とした歯科矯正治療方法です。

口ゴボ(口元の突出)が軽度の場合や、特定の歯の位置を調整する必要がある場合に適しています。部分矯正は、上下の前歯のみを動かすことが多く、全体的な歯並びを整えるよりも治療期間が短く、コストも抑えられる傾向があります。

小児矯正(子供)

小児矯正は、子どもの成長期に行われる歯科矯正治療で、主に永久歯が生え揃う前の早期段階で行われます。

治療の主な目的は、成長過程における顎の骨格の問題を改善し、将来的な歯並びの問題を予防することにあります。

小児矯正は、子どもの口ゴボ(口元が前に突出している状態)に対しても効果的で、顎の成長を促し、バランス良く調整することで、口元の突出を改善することが可能です。

よくある質問

口ゴボの見分け方を教えてください。

口ゴボの見分け方を知るには、いくつかの観察ポイントがあります。
一般的に、口ゴボは、口元が全体的に前方に突出している状態を指します。特に、横から見たときに鼻よりも唇が前に出ている状態が該当します。
これはEラインと呼ばれる線を用いて確認することができます。
Eラインは、鼻と顎の一番出っ張っている部分を結んだ想像上の線で、この線よりも唇が前に出ている場合、口ゴボと見なされることがあります。

口ゴボは自力で治せますか?

口ゴボを自力で治すことは一般的に困難です。
口ゴボの状態は、歯並びや顎の骨格の問題から生じることが多く、自力で改善することはほとんど不可能です。
特に、慢性的な習慣や顎の成長の問題が原因の場合、専門的な治療が必要になります。

口ゴボの矯正治療は保険適用されますか?

矯正歯科治療において保険適用されるケースは限られています。一般的に、矯正治療は自由診療とされ、全額自己負担となることが多いです。
しかし、特定の条件を満たす場合、保険適用が可能となることがあります。例えば、顎変形症や先天性疾患、埋伏歯の開窓術など、特定の診断がある場合には保険が適用されることがあります。

口ゴボを治すには手術が必要ですか?

口ゴボの治療に手術が必要かどうかは、その原因や症状の程度によって異なります。
骨格性の問題が原因である場合、外科手術が必要となることがあります。
一方で、歯槽性(歯の問題)による口ゴボの場合は、矯正治療だけで改善が見込めることが多いです。
骨格性と歯槽性の混合型のケースもあり、矯正治療と外科手術の両方が必要になることがあります​。

歯並びは良くても口ゴボは治したほうがいいですか?

歯並びが良い場合でも口ゴボ(口元が前方に突出している状態)は治療することが推奨されます。
理由としては、口ゴボが単に審美的な問題だけでなく、口閉じの障害や咬合機能の問題を引き起こす可能性があるためです。

口ゴボを治せばほうれい線は消えますか?

口ゴボの治療でほうれい線が改善する可能性はあります。出っ歯や口ゴボが原因でほうれい線が目立つ場合、歯列矯正による治療が有効なことがあります。
ただし、ほうれい線が出る原因は様々あり、口ゴボが原因の一つである場合もありますが、全てのケースでほうれい線が完全に消えるとは限りません。
ほうれい線の改善を目的とした場合、矯正治療と併せてスキンケアや顔の筋肉のエクササイズ、生活習慣の見直しなど、総合的なアプローチが有効です。

口ゴボは部分矯正で治せますか?

軽度から中度の出っ歯が原因で口ゴボが生じている場合、歯を並べるスペースがあるなら部分矯正で治療が可能なことがあります​​。
しかし、口ゴボが骨格の問題から生じている場合、歯列矯正だけでは十分な改善が見られない可能性があり、骨格に対する手術が必要になることもあります。

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