歯列矯正を最短で完了できる期間は?早く終わる人のポイントも紹介

「歯列矯正を早く終わらせたい」と思う方は多いのではないでしょうか?歯列矯正は、食後に歯磨きをしたり、きちんと矯正器具をつけ外ししたり、1日20時間以上装着したりとさまざまなストレスがあります。

さらに矯正器具は短くても2年程度は装着しなくてはならないため、以下のように悩んでいませんか?

「歯列矯正を最短で完了するにはどうしたらいい?」「歯列矯正ってどうして数年単位の時間が必要なの?」

歯列矯正は自身の歯並びの状態や年齢、性別、矯正範囲や矯正方法などさまざま要素が複雑に絡み合って治療期間が決まっていきます。しかし、いくつかのポイントを抑えるだけで治療期間が短くなる可能性があります。

そこで今回は以下のトピックについて解説します。

  • 歯列矯正を最短で完了できる期間
  • 歯列矯正別の治療期間
  • 歯列矯正の期間を決める要素
  • 歯列矯正は矯正治療期間と保定期間がある
  • 歯列矯正を早く終わらせるためのポイント

この記事では歯列矯正を最短で終了させるためのポイントや治療期間を決める要素、矯正方法別に必要になる治療期間などについて解説します。歯列矯正を早く終了させて早く綺麗な歯並びを手に入れたいと考えている方はぜひ参考にしてください。

歯列矯正をご検討中の方はお気軽にご相談ください!

歯列矯正を最短で完了できる期間


歯列矯正は矯正範囲によって比較的早く終わる部分矯正と時間がかかりやすい全体矯正があります。部分矯正と全体矯正の特徴について確認しておきましょう。

部分矯正

部分矯正の治療期間は約6か月〜1年程度です。部分矯正は前歯だけを対象にしており、矯正範囲が小さいので矯正期間が1年程度で済みます。

ただし、すべての人に適応できる治療プランではなく、噛み合わせ治療の必要がない軽微の症状の方に向いているので、事前に適応できるのか確認しましょう。

全体矯正

全体矯正の治療期間は約1年〜3年程度の時間が必要になります。これは全体矯正は奥歯を含めた歯全体の治療をおこなうので、部分矯正と比べて時間がかかりやすく、治療中にトラブルが発生して長引きやすいです。

全体矯正の治療期間中は矯正器具の装着時間を守ったり、毎月通院したりと守らなければならないことをしっかりと守ることが治療期間を短くするので認識しておきましょう。

関連記事:歯列矯正は1か月でどれくらい動く?動きやすい人の特徴を紹介

歯列矯正別の治療期間


歯列矯正にはいくつかの治療方法が存在しており、その方法によっても治療期間が異なります。具体的に以下の4つの方法の治療期間を解説するので、治療を受ける前に把握しておくと良いでしょう。

表面矯正

表面矯正は最も一般的な矯正方法で全体矯正であれば約1年〜3年程度、部分矯正は6か月〜1年程度の治療期間が必要になります。

歯の表面に矯正器具を装着する方法で、装置を自分の好きなタイミングで外すせないのが特徴です。そのため、十分に歯や矯正器具のケアを行わないと虫歯や歯周病などのリスクも高まり、治療期間が延長するかもしれません。

裏側矯正

裏側矯正は全体矯正であれば治療期間が1年〜3年程度、部分矯正は6か月〜1年程度は必要になります。歯の裏側から矯正器具を装着しておこなう治療法で、目立ちにくい点が特徴です。

しかし、治療の難易度が高く、歯科医師の腕によるところが大きいため、医院によっては治療を行っていない可能性もあります。緻密な技術を求められるため、表面矯正同様に虫歯や歯周病、破損といったトラブルが発生すると治療期間が大きく長引くでしょう。

ハーフリンガル矯正

ハーフリンガル矯正は全体矯正であれば2年〜3年程度、部分矯正だと6か月〜1年程度の治療期間が必要になります。具体的にハーフリンガル矯正とは上の歯の裏側に矯正器具を装着して、舌の歯には表面に矯正器具を装着する方法で、裏側矯正よりも治療期間が短くなりやすいです。

裏側矯正よりも治療費が安く、表面矯正よりも目立ちにくいというそれぞれの治療法のメリットを持ち合わせているのが特徴になります。

マウスピース矯正

マウスピース矯正も全体矯正であれば1年〜3年程度、部分矯正は6か月〜1年程度の治療期間が必要です。マウスピース矯正は矯正器具を取り外しできるため、歯のケアがしやすく最も虫歯や歯周病による治療期間の延長のリスクが低い治療法になります。

しかし、取り外し可能なため、装着時間が足りずに歯を動かしきれずに治療が長引く可能性もあるでしょう。そのため自分でしっかり装着時間の管理ができる人にはマウスピース矯正が向いています。

歯列矯正の期間を決める要素


歯列矯正の期間を決める要素をまとめると以下の4つになります。それぞれの要素によって治療期間が決まるため、期間を短くしたいならできるだけ以下の要素に注意して生活しましょう。

矯正範囲

歯列矯正の期間を決める要素として大きいのが矯正範囲です。矯正するのが上下の前歯6本程度であるのか、奥歯を含めた歯全体の矯正であるのかによって当然歯を動かす距離も変わるので、矯正にかかる時間も異なります。

歯並びが悪い状態だと誤った方向に力がかかり、余計に歯並びが悪くなるので、早急に矯正治療をおこなうことが矯正範囲を狭めることにつながるでしょう。

矯正方法

矯正方法によっても必要な治療期間が変わります。たとえば一般的に表面矯正と裏側矯正であれば治療の精密さなども含めて裏側矯正の方が治療期間が長引きやすいです。

他にもそれぞれの矯正方法によって虫歯、歯周病などの歯のケア不足によるトラブルも発生する可能性があって、治療期間が長引くこともあります。こういった理由から矯正方法によって治療期間が変わるでしょう。

年齢と性別

年齢や性別によっても矯正期間が変わってきます。たとえば成長しきった20歳以上の大人と小学生を比較すると、まだ発達段階で顎の骨や歯が動きやすい小学生の方が治療期間が短くなりやすいです。

他にも成人男性の方が女性よりも顎の骨が硬く歯が動かしにくい傾向があったりと性別による差が多少なりとも存在しています。

抜歯の有無

抜歯をするのかしないのかによっても治療期間が変わります。前提として抜歯の必要がある人は、抜歯をしなくてもいい人よりも歯並びが悪く矯正期間が長引くでしょう。

理由は抜歯して歯の移動スペースを確保するほど歯並びが悪いのであれば、当然歯を動かす距離が長く治療に手間がかかるからです。また抜歯をしてしまうと当然数日は歯列矯正の治療を始められません。

抜歯して菌が入って問題を起こすリスクもあることから抜歯の有無によって治療期間は変わります。

さらに詳しく抜歯によって治療期間が変わる理由を知りたい方は以下のURLを参考にしてください。

関連記事:歯列矯正は抜歯なしでも可能?抜歯が不要なケースを紹介

歯列矯正は矯正治療期間と保定期間がある


歯列矯正は矯正治療をおこなう期間と歯を動かした後に必要な後戻りを防ぐ保定期間が必要です。それぞれどれくらいの時間がかかるのかを解説するので、治療の流れと必要な期間をイメージできるようになりましょう。

矯正治療期間

矯正治療期間とは矯正器具を歯に装着して歯を理想の位置に動かす期間で、平均6か月〜1年程度です。

約1か月で0.03〜1mm程度歯が動くので、1年で1〜1.5cm近く歯が動くと認識しておきましょう。また全体矯正か部分矯正かによって移動する速度が変わるので、注意が必要です。

保定期間

保定期間とは矯正器具を使って動かした歯の後戻りを防ぐための期間で、約1年〜2年程度の時間が必要になります。一般的に保定期間は、歯を動かすために必要だった矯正治療期間と同じかそれ以上の時間が必要です。

歯を動かしたばかりだと周囲の骨や歯茎が不安定で、動きやすく、元の位置に戻ろうとします。後戻りを防ぐために1日20時間程度は装着しなくてはならないことを認識しておきましょう。

歯列矯正を早く終わらせるためのポイント


器具の装着時間の不足や虫歯や歯周病などによるトラブルで長引きやすい歯列矯正を少しでも早く終わらせるにはいくつかポイントがあります。ポイントを抑えるかどうかで矯正期間が数か月ほど変わる可能性があるので知っておきましょう。

装着時間を守る

矯正器具の装着時間を守ることが何よりも早く終わらせるポイントです。1日で最低でも20時間以上の装着が必要です。

規定の装着時間を守れないと、予定していたとおりに歯が動かず、計画が後ろ倒しになっていきます。まずは矯正器具を装着することを意識しましょう。

虫歯ケアを徹底する

虫歯のケアを徹底することも、歯列矯正を終わらせるためのポイントです。虫歯が発生すると、歯列矯正の治療よりも先に虫歯の治療をせざるを得ません。

そのため、矯正器具を装着していると歯のケアが大変ですが、徹底して虫歯になることを防ぐために注意を払いましょう。

歯科医師の指示通りに通院する

歯科医院の指示どおりに通院することも大切です。歯列矯正は歯の動きを正確に歯科医師に確認、調節が必要なほど精密な治療です。

そのため、指示どおりに通院することが最も大切になります。また通院することで虫歯のケアや何か心配ごとにも対応してくれるので、早く正確に歯を動かすためにも必ず通院しましょう。

保定装置の着用も守る

保定装置の着用も忘れずに守らなければなりません。歯が理想の位置に動いて、満足する人もいます。

しかし、保定装置の装着期間まで治療を行わないと、歯が後戻りして治療に費やした時間とお金が無駄になります。歯が動いた後だと、どうしても気が抜けがちなタイミングですが、最後まで気を抜かずに治療しましょう。

関連記事:歯列矯正で歯が動きやすい人の特徴5選|動きやすくするコツとは

まとめ

歯列矯正を早く終わらせるためには矯正器具を常に装着し続けることが最も効果的です。その上で、虫歯のケアをしたり、歯科医師に定期的に診てもらったりすると早く成功する確率が圧倒的に高まります。

そのため、自分にとってまずは継続しやすい矯正方法や本当に矯正したい範囲を歯科医師と相談しながら決めましょう。

歯列矯正をご検討中の方はお気軽にご相談ください!

平山脩

コラム監修者

はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック 院長 平山脩
岡山大学歯学部卒業後、岡山大学病院総合歯科に勤務。その後、大阪市内の歯科医院に勤務し、はぴねす歯科緑地公園駅前クリニックに勤務。2022年11月、はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック院長に就任。