歯列矯正で老け顔になる?原因・対処法・対策を紹介

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歯列矯正を考え始めたものの、インターネットやSNSで「矯正をしたら頬がこけて老けた」「ほうれい線が深くなった」という噂を目にしたことがある方もいらっしゃるでしょう。「きれいになるために高いお金と時間をかけるのに、逆に老け込んでしまったらどうしよう」と不安で立ち止まっている方はいませんか?

「矯正=老ける」わけではありません。歯列矯正後に老けて見えるのは、矯正中の食事制限や歯科医師の技術不足などが原因です。事前に正しい知識を持って対策を講じた場合、リスクは十分に回避できます。

本記事では、なぜ歯列矯正で老け顔になると言われるのか、原因と対策法を解説します。

万が一、歯列矯正後に老け顔になった際の対処法もご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

歯列矯正で老け顔になるのは本当?

歯列矯正が原因で必ず老け顔になるわけではありません。しかし、治療法や体質の変化によって、老けたと感じてしまうケースは存在します。

たとえば、出っ歯を治すために抜歯をすると、口元のふくらみが減り、ほうれい線が目立ったり頬がこけたりして老けたと感じる場合があります。また、矯正中の食事のしにくさから一時的に痩せてしまい、顔の印象が変わるのも老けたと感じる原因の1つです。

以下で、歯列矯正で老けたと感じる原因を解説します。

歯列矯正で老け顔になる原因

歯列矯正で老け顔になる原因は、以下の6つです。

  • ほうれい線やマリオネットラインが目立つようになった
  • 抜歯が原因で口元のボリュームが減った
  • 噛み合わせの変化に表情筋が慣れていない
  • 矯正中の痛みや食事制限で痩せてしまった
  • ブラックトライアングルができてしまった
  • 歯科医師の技術が不十分だった

1つずつ解説します。

ほうれい線やマリオネットラインが目立つようになった

ほうれい線が目立つようになるのは、出っ歯を治すために前歯が大きくうしろに下がったのが原因です。

以前まで前歯で張っていた口周りの皮膚が、歯の移動によって支えを失い、少し余った状態になると、ほうれい線や口角から顎への溝(マリオネットライン)が以前より深く見えてしまう場合があります。

ほうれい線やマリオネットラインの目立ちは皮膚が伸びたのではなく、土台となる歯の位置が変わったために起こる現象です。

関連記事:歯列矯正はほうれい線ができる?目立つケースと対策を紹介

抜歯が原因で口元のボリュームが減った

抜歯をともなう矯正で口元が下がりすぎると、顔全体のボリューム感が減り、老けた印象になる場合があります。

歯並びを整えるスペースを作るために抜歯は有効な手段ですが、計画が不適切だと予想以上に口元が引っ込むリスクがあります。とくに唇が薄い人の場合、歯の支えがなくなると唇も内側に入り込みやすいため、口元のふっくら感が失われ、寂しい印象や老けた印象を与えやすいです。

関連記事:歯列矯正は抜歯なしでも可能?抜歯が不要なケースを紹介

噛み合わせの変化に表情筋が慣れていない

噛み合わせが正しく整うと、食事のときに使う筋肉のバランスが変わるため、顔の印象が変化する場合があります。

たとえば、以前は噛み合わせが悪く、無意識に奥歯を強く食いしばっていた人の場合、エラ周りの筋肉が発達している場合があります。矯正で噛み合わせが良くなると、その無駄な緊張が取れて筋肉がスッキリし、エラの張りが解消されるのです。

ただし、人によっては頬がこけたように感じてしまい、老けた印象を持たれる方もいます。

矯正中の痛みや食事制限で痩せてしまった

矯正装置を付けたばかりの頃や調整直後は、痛みで食事がしにくくなり、結果的に痩せて頬がこけてしまうのが原因です。

装置の違和感や痛みから、硬い食べ物を避け、おかゆやスープなど柔らかいものばかり選ぶ食生活が続くと、噛む回数が減って頬の筋肉が衰えたり、栄養が偏って顔の脂肪が落ちたりします。食事内容の変化が一時的な痩せや頬こけにつながり、周囲から老けたと言われる原因の1つです。

ブラックトライアングルができてしまった

歯並びが整った結果、歯と歯茎の間にブラックトライアングルと呼ばれる黒い三角形の隙間が見えるようになり、老けた印象を与える場合があります。

ブラックトライアングルは、ガタガタに重なっていた歯を並べたときに起こりやすい現象で、重なっていたときは隠れていた歯茎の隙間が、歯が整列すると露出します。つまり、歯茎が下がってしまったわけではなく、もともとあった隙間が見えるようになった状態です。

ブラックトライアングルが、歯が抜けたような印象や、不健康で老けた印象を与える原因の1つです。

歯科医師の技術が不十分だった

歯科医師の技術や経験が不十分だったために、不適切な治療計画が立てられ、結果として老け顔につながる場合があります。たとえば、抜歯の必要がないケースなのに抜歯をおこなったり、口元の引っ込み具合の予測が甘かったりするケースです。

歯列矯正は専門的な知識と技術を必要とするため、歯科医師が患者さんの骨格や皮膚の柔軟性、年齢などを考慮せずに治療を進めると、「噛み合わせは良くなったけれど、見た目に満足できない」という失敗につながる場合があります。

歯列矯正で老け顔になった場合の対処法・解決策

歯列矯正で老け顔になった場合の対処法・解決策は、以下の7つです。

  • まずは担当の矯正歯科医に相談する
  • 表情筋や口輪筋を鍛える
  • 再治療をおこなう
  • ラミネートベニアをおこなう
  • ブラックトライアングルをレジンで埋める
  • 気になる箇所を重点的に保湿する
  • ヒアルロン酸注入といった美容医療を検討する

1つずつ見ていきましょう。

まずは担当の矯正歯科医に相談する

矯正治療後に老けたと感じた場合、まずは治療をおこなった担当の矯正歯科医に相談するのが最優先です。

なぜそのように見えるのか、原因が噛み合わせの変化による一時的なものか、抜歯による口元の後退が計画より進みすぎたのかをプロの目線で診断してもらう必要があります。自分では失敗と感じていても、治療過程の一時的な変化である可能性も否定できません。

現状を正確に把握し、最適な次の対策を一緒に考えてもらうために、不安な点は遠慮なく伝えましょう。

表情筋や口輪筋を鍛える

頬のこけやほうれい線が目立つようになった場合、口周りの筋肉や表情筋を鍛えるのが有効な対処法です。

矯正装置がついている期間は、話しにくさや食べにくさから、口周りの筋肉を使う機会が減りやすく、筋力が低下する場合があります。また、噛み合わせが変わった影響で、筋肉のバランスが変化する場合もあります。

「あいうえお」と大きく口を動かす体操や、口をすぼめたり膨らませたりするトレーニングをおこない、意識的に筋肉を動かしましょう。

再治療をおこなう

抜歯矯正で口元が内側に入りすぎ、頬がこけたりほうれい線が深くなったりした場合、再治療をおこなうのが1つの解決策です。これは、歯全体を少し前方に動かして、口元にふっくら感を取り戻す治療になります。

ただし、すべてのケースで可能なわけではなく、治療期間や追加費用も発生します。再治療には高度な技術と診断が求められるため、再治療の実績が豊富な歯科医院で、リスクや限界についてもしっかり説明を受けてから慎重に判断してもらいましょう。

ラミネートベニアをおこなう

歯の形や歯茎の下がったすき間が老けた印象を与えている場合、ラミネートベニアで見た目を改善する方法があります。ラミネートべニアは、歯の表面をごくわずかに削り、その上からセラミック製の薄いシェルを貼り付ける審美治療です。歯の色を白くしたり、歯の形を整えたり、小さなすき間を閉じたりできます。

ただし、健康な歯を削る必要がある点や、保険適用外で費用がかかる点に注意が必要です。

ブラックトライアングルをレジンで埋める

歯列矯正後に歯茎が下がり、歯と歯の根元にできたブラックトライアングルは、レジンで埋める対処法があります。すき間の側面にレジンを盛り足して歯の幅を少し広げ、すき間を自然な形に埋めます。

比較的短時間で治療が終わりますが、レジンは時間と共に変色する可能性もあるため、定期的なメンテナンスが必要です。

気になる箇所を重点的に保湿する

口元のほうれい線やシワが気になる場合、スキンケアによる重点的な保湿もセルフケアとして有効です。矯正治療が直接シワを作るわけではありませんが、口元のラインが変化すると、以前は気にならなかったシワが目立ってくる場合があります。

とくに口周りは乾燥しやすいため、保湿力の高い化粧水やクリームを使い、肌にハリと潤いを与えましょう。乾燥による小ジワが改善されると、ほうれい線も目立ちにくくなる効果が期待できます。

ヒアルロン酸注入といった美容医療を検討する

歯科治療で口元の後退を修正するのが困難な場合や、頬のこけ・ほうれい線を早急に改善したい場合は、ヒアルロン酸注入といった美容医療を検討する方法もあります。

ヒアルロン酸注入は歯科ではなく美容皮膚科の領域で、くぼんだ部分にヒアルロン酸を注入してボリュームを持たせる処置です。ただし、効果は永久ではなく、6カ月〜1年程度でヒアルロン酸は吸収されるため、継続的に施術を受ける必要があります。

歯列矯正後の老けた顔が気になる方は、矯正歯科医に相談したあとに、美容医療の専門医にも話を聞いてみましょう。

歯列矯正で老け顔にならないための対策・ポイント

歯列矯正で老け顔にならないための対策・ポイントは、以下の8つです。

  • 信頼できる歯科医院・矯正専門医を選ぶ
  • 抜歯・非抜歯の判断を慎重におこなってくれる医師を選ぶ
  • 成人矯正・審美面に精通した歯科医院を選ぶ
  • 精密検査で顔の骨格まで診断する
  • 矯正中も表情筋を意識して使う
  • 抜歯の必要性を慎重に検討する
  • 栄養バランスが整った食事を心がける
  • 定期的に通院する

1つずつご紹介します。

信頼できる歯科医院・矯正専門医を選ぶ

老け顔のリスクを避けるには、信頼できる歯科医院や矯正専門医を選ぶのが重要です。

とくに矯正治療は医師の技術や経験によって結果が左右されます。日本矯正歯科学会の認定医や専門医といった資格は、一定の知識と経験を持つ目安になります。

カウンセリングで自分の不安を親身に聞いてくれるか、症例実績は豊富かを確認しましょう。

抜歯・非抜歯の判断を慎重におこなってくれる医師を選ぶ

抜歯が必要かどうかを慎重に判断してくれる歯科医師を選ぶと、老け顔の失敗を防ぎやすくなります。

抜歯は歯を並べるスペースを作るために必要な場合がありますが、口元が下がりすぎてほうれい線が目立つ原因にもなり得ます。

本当に抜歯が必要か、抜歯せずに治療する方法はないか、複数の選択肢を提案してくれる歯科医師が望ましいです。精密検査のデータをもとに、抜歯した場合としなかった場合の顔の変化を、具体的に説明してくれる歯科医師を選びましょう。

成人矯正・審美面に精通した歯科医院を選ぶ

大人の歯列矯正では、とくに審美面に精通した歯科医院を選ぶのがおすすめです。

大人の歯列矯正は、子供と違って骨の成長が終わっているため、歯周病のリスクや歯茎下がりも考慮しなければなりません。成人矯正の症例を多く扱っている歯科医院は、大人の特有の悩みに対応できる場合があります。

老け顔にならないためには、単に歯を並べるだけでなく、口元のラインやほうれい線とのバランス、歯茎の健康までトータルで見てくれる経験豊富な歯科医師が安心です。

精密検査で顔の骨格まで診断する

老け顔を防ぐためには、精密検査で顔の骨格までしっかり診断してもらうのが大切です。

骨格を無視して歯だけを動かすと、口元が下がりすぎるといった問題が起きやすくなります。骨格診断を重視する歯科医院は、顔全体のバランスを考えた治療が期待できます。

矯正を始める前の検査で、顔の骨格も踏まえてしっかり検査してもらいましょう。

矯正中も表情筋を意識して使う

歯列矯正中に頬がこけたと感じるのを防ぐには、意識して表情筋を使うのが効果的です。

矯正装置の違和感や痛みで、自然と口数や食べ物を噛む回数が減ることがあるため、口周りや頬の筋肉が衰え、頬がこけて老けた印象を与えてしまいます。

食事の際はよく噛むのを意識し、普段から口角を上げる「あいうえお体操」のような顔の筋トレを取り入れましょう。筋肉の衰えを防ぐと、血行も良くなり、健康的な表情を保つのにも役立ちます。

抜歯の必要性を慎重に検討する

老け顔の後悔をしないために、患者さん自身も抜歯の必要性を慎重に検討する姿勢が大切です。抜歯は治療の選択肢の1つですが、必ずしも必要な処置とは限りません。

とくに口元がもともとあまり出ていない人が抜歯をすると、口元が引っ込みすぎて老けた印象になるリスクがあります。

歯科医師から抜歯を勧められた場合でも、なぜ抜歯が必要なのか、抜歯しない場合の治療法はないのかをしっかり質問しましょう。セカンドオピニオンとして、別の歯科医院の意見を聞いてみるのも有効な手段です。

栄養バランスが整った食事を心がける

歯列矯正中に頬がこけて老け顔になるのを防ぐため、栄養バランスが整った食事を心がけるのも重要です。

矯正装置の痛みや違和感で食事がしにくくなり、柔らかいものばかり食べたり、食事量が減ったりしやすいため、体重が減少し、頬がこけてしまいます。

タンパク質やビタミンなど、筋肉や肌の健康を保つために必要な栄養素をしっかり摂るように工夫してください。食べにくい時は、細かく刻んだり、煮込んだりして、栄養不足にならないよう気をつけましょう。

定期的に通院する

治療計画通りに歯を動かし、老け顔のトラブルを防ぐためには、定期的に通院するのが大切です。歯科医師は、毎回の通院時に歯の動き具合をチェックし、計画とズレがないかを確認しています。

予定通りに歯が動いていないのを放置すると、治療期間の長期化や、口元が下がるリスクもあります。予約通りに通院していた場合、万が一問題が起きても早期に発見し、計画の修正が可能です。

面倒でも、指示された間隔で診察を受けるようにしましょう。

まとめ

歯列矯正で老けて見える原因は、抜歯によって口元が下がりすぎたり、治療中の痛みや食事制限で表情筋が衰えて頬がこけたりする点にあります。必ずしも全員が老け顔になるわけではありません。

正しい診断と顔全体のバランスを考慮した治療計画でおこなうと、老け顔のリスクを防ぐだけでなく、Eラインが整って以前よりも若々しい印象を手に入れられるでしょう。

老けて見えないようにするためには、無理な抜歯を避ける判断や、治療中もよく噛んで表情筋を使う意識が大切です。

当院では、精度の高い検査と丁寧な説明を大切にして、治療に臨むようにしております。矯正の相談、カウンセリングは無料ですのでお気軽にお悩みをご相談ください。

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平山脩

コラム監修者

はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック 院長 平山脩
岡山大学歯学部卒業後、岡山大学病院総合歯科に勤務。その後、大阪市内の歯科医院に勤務し、はぴねす歯科緑地公園駅前クリニックに勤務。2022年11月、はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック院長に就任。

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