すきっ歯は歯列矯正で治せる?費用や期間を紹介

すきっ歯とは、歯と歯の間に隙間が空いている状態のことです。

すきっ歯を治したいと思っていても、「どのような治療方法があるの?」「できるだけ早く、費用を抑えて治したい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?

すきっ歯は見た目だけの問題ではありません。

放置すると、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。

そこで、今回は以下の内容について解説します。

  • すきっ歯は歯列矯正で治せる?
  • すきっ歯を治せる歯列矯正の種類
  • すきっ歯の原因、放置するリスク
  • すきっ歯の歯列矯正は保険適用される?

この記事を読むことで、すきっ歯の原因やリスク、正しい治療法を知り、安心して治療に臨めるようになります。

すきっ歯が気になっている方や、第一印象に自信を持ちたい方は、ぜひ参考にしてください。

歯列矯正をご検討中の方はお気軽にご相談ください!

すきっ歯は歯列矯正で治せる?

すきっ歯は歯と歯の間に隙間が生じている状態であるため、歯列矯正で歯を移動させることで治療できます。

すきっ歯には前歯だけに隙間が生じている「正中離開」と、多くの歯と歯の間に隙間が生じている「空隙歯列」の2種類があり、どちらも歯列矯正で治療が可能です。

ただし、すきっ歯の状態によっては、矯正治療と同時に生活習慣やホームケア、無意識の癖の改善指導などを行う場合もあります。

すきっ歯を治せる歯列矯正の種類

すきっ歯を治す歯列矯正には、次の2種類があります。

  • ワイヤー矯正
  • マウスピース矯正(インビザライン)

それぞれの特徴と、かかる費用や治療期間をご紹介します。

ワイヤー矯正

歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を取り付け、そこにワイヤーを通して力をかけて、歯を移動させる矯正方法です。

歯の表側にブラケットを取り付ける「表側矯正」と、裏側に取り付ける「裏側矯正(舌側矯正)」の2種類があります。

すきっ歯だけでなく、重度の出っ歯や叢生にも適しており、対応症例の幅が広いことが特徴です。

ワイヤー矯正の費用と治療期間

ワイヤー矯正ですきっ歯を治療する場合にかかる費用と治療期間の目安を表でご紹介します。

ワイヤー矯正の種類 表側矯正 裏側矯正(舌側矯正)
費用 60~130万円 100~170万円
治療期間 1~3年 2~3年

裏側矯正は装置の作製に時間がかかるうえ、装着に高度な技術が必要となるため、表側矯正よりも費用は高くなる傾向にあります。

しかし、矯正装置を目立たせたくない方にはおすすめです。

また、裏側にブラケットとワイヤーを取り付けることによって、すきっ歯の原因となる舌癖の改善も期待できます。

マウスピース矯正(インビザライン)

マウスピース矯正は、「アライナー」と呼ばれる薄いマウスピースを用いて歯を徐々に動かしていく矯正方法です。

ワイヤー矯正と比べて、軽度の症例に対して用いられます。

使用するマウスピースは透明のため、周囲に気づかれずに矯正治療することが可能です。

ただし、1日20時間以上の装着が求められるため、食事のタイミングや生活リズムが不規則な方には不向きかもしれません。

マウスピース矯正(インビザライン)の費用と治療期間

マウスピース矯正ですきっ歯を治療する場合にかかる治療費の目安は50~100万円です。

また、個人差はありますが、治療期間の目安は1~3年程度です。

なお、装着時間が短かったり、虫歯や歯周病などで矯正治療が中断されたりした場合は、治療期間が長引いてしまう恐れがあります。

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すきっ歯の原因

すきっ歯をきたす代表的な原因は次の通りです。

  • 遺伝的要因
  • 生活習慣や癖
  • 歯周病
  • 上唇小帯の異常
  • 噛み合わせの問題
  • 加齢による影響

それぞれについて詳しく解説します。

遺伝的要因

遺伝的に歯のサイズが小さかったり、顎のサイズが大きかったりすると、スペースが余ってすきっ歯になりやすくなります。

そのほか、生まれつき歯の数が多い「過剰歯」もすきっ歯の原因になります。

また、「正中過剰埋伏歯」も先天的なすきっ歯の原因の一つです。

前歯の間に余計な歯が埋まっている状態で、この埋伏歯が前歯と前歯の間を押し広げて正中離開を起こすのです。

生活習慣や癖

後天的なすきっ歯をきたす原因として、無意識のうちにしている生活習慣や癖があげられます。

具体的には、舌で前歯を押し出す癖や頬杖、指しゃぶりなどです。

また、姿勢の悪い方やうつ伏せや横向きで寝る習慣がある方も注意が必要です。

顔面に力がかかることで歯並びが崩れ、すきっ歯だけでなく、顔の歪みなどを引き起こす恐れもあります。

歯周病

歯周病が進行すると、歯ぐきが下がって歯が動き、歯と歯の間に隙間ができることがあります。

なお歯周病が原因のすきっ歯の場合は、歯列矯正よりも歯周病の治療が優先されます。

上唇小帯の異常

上唇小帯は、上唇の裏側の真ん中あたりと歯ぐきをつなぐヒダです。

生後すぐは発達していますが、成長とともに徐々に小さくなっていきます。

しかし、何らかの理由によって上唇小帯が小さくならなかったり、付着位置や長さの異常があったりすると、前歯のすきっ歯(正中離開)の原因になります。

噛み合わせの問題

すきっ歯をきたしやすい不正咬合としては、「過蓋咬合(ディープバイト)」があげられます。

過蓋咬合は上下の歯の噛み合わせが深いことを指します。

下の前歯が上の前歯を押し広げるため、上の歯が前に出て隙間が生じ、すきっ歯になってしまうのです。

また、歯を失った場合にも注意が必要です。

残った歯が移動することにより、歯と歯の間に隙間が生じ、すきっ歯になるケースがあります。

加齢による影響

加齢により歯ぐきが下がると、歯の根元が露出し、歯と歯の間の隙間が目立つようになるケースがあります。

加齢による歯ぐきの下がりは避けられないものです。

しかし、生活習慣の改善やブラッシング、オーラルケアの徹底によって、歯ぐきの下降スピードを遅らせることは可能です。

すきっ歯を放置するリスク

すきっ歯を放置すると、以下のようなリスクがあります。

  • 虫歯や歯周病のリスク増加
  • 発音への影響
  • 噛み合わせの悪化
  • 見た目へのコンプレックス

それぞれのリスクについて、詳しく解説します。

虫歯や歯周病のリスク増加

歯と歯の間の隙間が広いすきっ歯では、そこに食べ物などや汚れが詰まりやすくなります。

十分に口腔ケアが行えていないと、その隙間は細菌の温床となり、口腔環境を著しく悪化させてしまいます。

つまり、虫歯や歯周病、そして口臭のリスクまで増加してしまうのです。

発音への影響

すきっ歯では歯と歯の間から空気が漏れてしまうため、サ行などの発音が難しくなります。

仕事での電話や会議、プレゼンテーションの場でも不利となってしまうため、昇給や昇進にも影響を及ぼしかねません。

特に、人と関わる機会の多い業種・職種の場合は、早いうちに治療を検討しましょう。

噛み合わせの悪化

すきっ歯で噛み合わせが悪い場合、咀嚼の際、一部の歯のみに過剰な力がかかっている状態になります。

噛む力の分散がうまくいかないと、それをカバーしようとして口まわりや顎の筋肉の緊張が続き、さらに噛み合わせが悪くなってしまう恐れがあります。

口まわりや顎の筋肉の緊張は、頭痛や肩こりなどの慢性的な不調の原因にもなるため、注意が必要です。

また、しっかりと食べ物を噛み砕けていないと、胃腸に過度な負担をかけ、消化不良をきたす可能性もあります。

すきっ歯や噛み合わせの問題は、口腔内だけの問題に留まらないのです。

見た目へのコンプレックス

すきっ歯の治療を検討されている方の多くは、外見上のコンプレックスを解消したいとお考えなのではないでしょうか。

特に、目立ちやすい前歯のすきっ歯は、第一印象を左右します。

相手に悪い印象を与えていないかとお悩みの方も少なくないでしょう。

口元を隠さずに話したり、笑ったりできるようになりたいならば、歯列矯正でのすきっ歯治療をぜひご検討ください。

すきっ歯の歯列矯正は保険適用される?

原則として、すきっ歯に対する歯列矯正治療では、健康保険は使えません。

すきっ歯の歯列矯正の治療費の目安を表でご紹介します。

矯正治療の種類 治療費の目安
ワイヤー矯正(表側矯正) 60~130万円
ワイヤー矯正(裏側矯正・舌側矯正) 100~170万円
マウスピース矯正(インビザライン) 50~100万円

治療費を抑えて、気になる部分だけを矯正する「部分矯正」もありますが、積極的におすすめはできません。

すきっ歯では噛み合わせの問題を併発していることも多いためです。

全体矯正では歯並びと同時に噛み合わせの改善を進められますが、部分矯正では噛み合わせの治療はできません。

また、部分矯正は全体矯正と比べて後戻りのリスクも高いため、慎重に検討しましょう。

まとめ

すきっ歯は見た目だけの問題ではありません。

口腔内、そして全身にも悪影響を及ぼす可能性があるため、早いうちに治療を始めることをおすすめします。

本記事ですきっ歯に対する歯列矯正方法を把握して、ご自身に合った矯正方法で改善に向けて治療を進めましょう。

歯列矯正をご検討中の方はお気軽にご相談ください!

平山脩

コラム監修者

はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック 院長 平山脩
岡山大学歯学部卒業後、岡山大学病院総合歯科に勤務。その後、大阪市内の歯科医院に勤務し、はぴねす歯科緑地公園駅前クリニックに勤務。2022年11月、はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック院長に就任。

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