歯列矯正は指で押すことでできる?自分で押すリスクを紹介

「指で歯を押すことで歯列矯正できるのではないか」という風に考えている方は多いのではないでしょうか?実際に歯列矯正はどれだけ安くても30万円程度の費用と1年以上の治療期間がかかるので、なかなか手を出しづらいですよね。

そんな中で歯を指で押すことで歯並びがよくなったという体験談を聞いて、興味を持った方は少なくないでしょう。しかし以下のような点が気になる人もいるでしょう。

「本当に指で押して歯列矯正できるの?」
「指で歯を押していく矯正方法のリスクって何?」
「結局、矯正器具を使って歯列矯正をやった方がいいの?」

指で歯を押すことで歯を動かせはするものの、理想としているようなきれいな歯並びにすることは非常に難しいです。綺麗な一生モノの歯並びを手に入れたいなら費用や治療期間に対するハードルはありますが、矯正治療をおこなった方が後悔しないでしょう。

そこで今回は以下のトピックについて解説します。

  • 自分の指で押すことで歯列矯正できる?
  • 指で押す歯列矯正のリスク
  • 正しい歯列矯正の方法
  • 矯正歯科を受診するメリット
  • 信頼できる矯正歯科の選び方
  • 矯正治療以外で歯並びを保つ方法

この記事は指で歯並びをよくする方法のリスクや治療の難易度、一方で矯正治療をすることのメリットから失敗しない矯正歯科の選び方まで解説します。綺麗な歯並びを手に入れたいものの、指で歯を動かす治療法に対して疑問を持っている方はぜひ参考にしてください。

歯列矯正をご検討中の方はお気軽にご相談ください!

自分の指で押すことで歯列矯正できる?


自分の指で歯を押すことにより歯を動かしていき、歯並びを整えるのは非常に難しいでしょう。なぜなら、きれいな歯並びを手に入れるには適切な方向に適切な力が加わり続けることで動かせるのですが、指で押すと方向も力の加減も調整が難しいからです。

確かに歯に継続的に力を加え続けることで動きはするのですが、指で誤った方向に誤った力で力を加え続けると今の歯並びよりも悪くなる可能性の方が圧倒的に高いでしょう。こういった理由から自分の指で歯を押すことで理想としているようなきれいな歯並びにするのは難しいです。

指で押す歯列矯正のリスク


指で歯を押す歯列矯正には当然のことながら以下のようなリスクが存在しています。発生しかねない最悪の場合も含めて解説していきます。

歯に与えるダメージ

指で歯を動かす場合、歯に大きなダメージを与えるかもしれません。歯列矯正のように矯正器具を使って歯を動かす場合、患者さんの歯の状態に合わせて適切な力を加えて、理想の歯並びに動かしていきます。

しかし、指で歯に力を加える場合は加える力が強すぎたり、弱すぎたりする可能性が非常に高いです。特に早く歯を動かすために強すぎる力を加えることが多く、その場合だと歯の根元が短くなり歯がぐらぐらしたりします。

最悪の場合だと神経が死んでしまい歯を抜く必要があるでしょう。

噛み合わせや歯並びの悪化

指で歯に力を加えると噛み合わせや歯並びが悪化する可能性が高いです。指で歯を押して歯並びを整えようとしても、そもそも歯を動かすための空間がなければなりません。

歯を動かすスペースがない状態で歯を動かそうとすると他の歯が押し出されて余計に歯並びが悪くなるでしょう。そのため、指で歯を動かす場合は、歯を動かすスペースがあるのかを確認してから治療を検討するとよいです。

関連記事:歯列矯正をやらなきゃよかったと思う理由と対処方法

正しい歯列矯正の方法

歯を動かすための正しい歯列矯正についても解説します。指で押すことを考えている方で矯正治療に対してハードルが高いと感じていたとしても、安全かつ確実に理想の歯並びを手に入れる方法は知っておいた方がいいです。

具体的にそれぞれの治療の特徴と注意点、料金を含めて紹介します。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正はブラケットという装置にワイヤーを通して、歯に力を加えて動かしていく方法になります。ワイヤー矯正は最も歯列矯正の中で歴史があり、オーソドックスな治療法です。

そのため、歯に装着できる装着範囲と適用症例が非常に広く、どのような症状の患者でも高い確率で歯全体を非常にバランスよく、きれいに整えられるでしょう。

ただし、どうしてもワイヤーを使っている以上、目立ちやすかったり、口の中に違和感を覚えることがあります。具体的に必要な料金はどのような素材のブラケットを使うかにもよりますが、一般的に30万〜150万円程度の幅があります。

マウスピース矯正

マウスピース矯正はマウスピースを装着し続けることで歯を少しづつ動かしていく方法になります。最大の特徴はワイヤー矯正と違い、マウスピースの取り外しが可能な点です。

そのため、非常に歯を清潔に保ちやすかったり、どうしても見た目に気を使いたい場面で気にする必要がなかったりします。一方で、ワイヤー矯正と違い軽度〜中程度の症例にしか対応できなかったり、取り外し可能なので装着時間を守るために徹底した自己管理が必要になる点が注意点です。

具体的な料金は一般的に20万円〜100万円程度となっていますが、どれくらい理想の歯並びとかけ離れているかによるので、まずは歯科医院に行き、診察してもらいましょう。

矯正歯科を受診するメリット

矯正歯科を受診する方がいくつかメリットがあります。改めて矯正歯科を受けるメリットについて理解しておきましょう。

美しい歯並びの実現

矯正歯科を受けると美しい歯並びの実現に最も近づけます。指で歯を押して歯を動かしていく方法よりも、医学的な知識と技術により治療していく矯正歯科の方が理想の歯並びに最も近づくのは感覚的にでもわかるでしょう。

また歯並び1つで笑顔に自信がもてたり、顔周りの筋肉が正しくきれいに鍛えらえるので、顔の印象が変わることもあります。そのため、矯正歯科で美しい歯並びにするメリットは大きいです。

関連記事:歯列矯正をすると歯茎は引っ込む?3つの治療方法を紹介

歯周病のリスク低減

矯正歯科を受けた方が歯周病のリスクを低減できます。矯正歯科で歯並びを改善する方が指で歯を動かすよりもきれいに歯が並ぶので必然的に歯磨きで磨き残す部分も少ないです。

そのため、歯周病の原因である歯垢がたまりにくくなり、口の中を清潔に保てるでしょう。一度美しい歯並びを手に入れるときれいに歯を磨きやすいので、以降も常に虫歯や歯周病のリスクが低減できるのもメリットです。

噛み合わせの改善

矯正歯科をすると噛み合わせの改善が望めるでしょう。指で押す方法だとどうしても歯全体を動かすことは難しいのですが、矯正歯科の場合は歯全体を動かせます。

そのため、歯全体を矯正することで噛み合わせを整えやすいです。また噛み合わせに関しては一度悪くなると、食材を食べるときに、その状態で歯に負荷をかけるため、余計に歯並びが悪くなります。

しかし、一度噛み合わせを整えてしまうと歯に正しい方向で力が加わるため、噛み合わせがおかしくなることもないので、将来的に見てメリットが大きいです。

信頼できる矯正歯科の選び方


信頼できる矯正歯科を選ぶには以下の3つのポイントを押さえておくとよいです。

どうしても矯正歯科は治療期間が長いため、信頼できる病院を見つけることが理想の歯並びになるポイントになります。しっかりと理解して、以下の観点から歯科医院を選ぶようにしましょう。

治療方法の多様性

歯科医院がどれくらいの治療方法に対応しているかが歯科医院を選ぶ際に非常に大切です。当然のことながら、患者によって歯の状態が異なるため、その患者に最も適した治療方法も変わってきます。

そのため、できるだけ多くの治療法に対応している歯科医院で治療をおこなってもらう方が治療の成功確率も高いと言えるでしょう。また多くの治療法に対応しているということは、それだけ技術と症例を持っている医師がいるという証でもあります。

よって、治療方法の豊富さという観点から歯科医院を探してみるとよいです。

先進的な設備

先進的な設備を設置しているのかも治療の満足度という観点から見ると大切です。矯正治療は患者さんの現在の歯の状態と理想の歯並びの差を埋めていく治療なので、しっかりと現状の歯の状態を知らなくてはなりません。

この現状の歯並びを確認する装置や治療を進めていった先のシミュレーション装置の精度が高いかどうかで治療の成功確率や満足度は変わってくるといっても過言ではないです。そのため、まずはホームページからどういった設備なのかを確認しましょう。

丁寧なカウンセリングと説明

治療の前や治療を検討している段階で丁寧にカウンセリングや説明をしてくれる矯正歯科を選びましょう。矯正治療は高額な費用がかかり、うまく治療できないと余計に不満を募りやすかったり、長い治療時間が必要だったりと非常に難しい治療になります。

そのため、どれだけ医師と信頼関係を築けるかや事前に不安点、疑問点を消せるかが非常に重要です。実際に歯科医院に足を運んで丁寧にカウンセリングしてくれるのか、料金形態や治療のリスクなどを惜しみなく話してくれるのかを確認すると後悔しないでしょう。

矯正治療以外で歯並びを保つ方法


矯正治療以外でも歯並びをきれいに保つ方法があります。きれいな歯並びになっても以下のようなポイントを疎かにすると歯並びが悪化する可能性があるので、注意しておきましょう。

正しい歯磨き方法

矯正治療のほかに歯並びをきれいに保つには、まずは正しい歯磨きをしなくてはなりません。正しい歯磨きで直接的に歯を動かして歯並びをきれいにするわけではありませんが、正しい歯磨きをしなければ虫歯、歯周病のリスクが高くなるでしょう。

虫歯や歯周病が発生して、放っておくと最悪の場合、抜歯することになったり、歯の神経が死んでせっかく並べた歯が黒くなっていく可能性もあります。そのため、正しい歯磨きをすることは後々引き起こしかねない歯並びを悪くするリスクを除去する方法ですので、しっかりと対策しましょう。

悪い癖の改善

歯並びをきれいに保つ最も効果的な方法が悪い癖の改善です。たとえば、頬杖を突いたり、普段から歯ぎしりしたり、舌で歯を押したりといった行動が挙げられます。

これらの癖は歯並びを悪化させるだけでなく、歯にダメージを与えており、歯が欠けたり、最悪の場合歯の神経が切れて失活することもあるでしょう。そのため、紹介した癖を持っている場合は早急に改善するように心がけるとよいです。

まとめ

指で歯を押して歯列矯正する方法は非常に難易度が高く、後悔する可能性が高いことからもやめておいた方が賢明です。今回紹介したようなリスクをしっかりと理解して、ハードルが高いものの矯正治療を考える方向に切り替えましょう。

まずは今回紹介したような信頼できる歯科医院のポイントをおさえて、実際に歯科医院に行き、自身の歯を理想の歯並びにする場合の負担について知るとよいです。

歯列矯正をご検討中の方はお気軽にご相談ください!

平山脩

コラム監修者

はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック 院長 平山脩
岡山大学歯学部卒業後、岡山大学病院総合歯科に勤務。その後、大阪市内の歯科医院に勤務し、はぴねす歯科緑地公園駅前クリニックに勤務。2022年11月、はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック院長に就任。

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