歯列矯正をやらなきゃよかったと思う理由と対処方法
「歯列矯正をやらなきゃよかった」という声を聴いたことがある人はいるのではないでしょうか?歯列矯正に対して気持ちが高まっている中、「やらなきゃよかった」といった後悔の声を聞くこともあるでしょう。
そういった声を目にしたりすると以下のように気になっていませんか?
「歯列矯正って失敗するの?」
「歯列矯正の失敗って何が原因なの?どうしたら防げるの?」
歯列矯正は確かに理想通りに治療できず、後からやらなきゃよかったと思う人がいます。しかし、治療を後悔する原因の多くは明らかになっており、しっかりと対策をすれば後悔を防ぐこともできます。
そこで今回は以下のトピックについて解説します。
- 歯列矯正をやらなきゃよかったと感じる11の理由と対処方法
- 歯列矯正が必要な人
- 「歯列矯正をやらなきゃよかった」とならないために
この記事では歯列矯正の後悔でよくあるパターンを紹介し、後悔を防ぐための方法についても詳しく解説します。歯列矯正で後悔をしたくない、しっかりと綺麗に歯をそろえたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
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目次
歯列矯正をやらなきゃよかったと感じる12の理由と対処方法
歯列矯正をやらなきゃよかったと感じる理由を12のパターンに分けて紹介します。対処方法も含めて解説するので、まずはどういったパターンがあるのかを認識しましょう。
治療期間が長引いてしまった
歯列矯正で後悔するケースで多いのが治療期間が長引いてしまったという理由です。
どうしても歯列矯正は時間をかけて歯を動かす治療なので、虫歯や歯周病といったトラブルを引き起こしやすく、思うように進まないといったトラブルも発生しがちになります。
1年~3年程度の時間が一般的にかかりますが、その期間の間にしっかりと歯科医院に通院できるかがポイントになるでしょう。
歯科医師と定期的にコミュニケーションを取っていると虫歯のようなトラブルを未然に防いだり、効果的なアドバイスがいただけたりするので治療期間が左右する可能性が高いです。
対処方法
治療期間が長引かないようにするには歯科医師の指示を厳守することが大切です。
- 装着時間を守る
- 顎間ゴムやチューイーといった歯を動かす装置装着する
- 硬い食べ物を避ける
歯科医師から注意を受けたようなポイントを守るようにしましょう。歯科医院に通院することが最も効果的な対策です。
そのため、「通いやすいかどうか」といったポイントも重視すると良いです。
イメージ通りの歯並びにならなかった
あらかじめイメージしていたような歯並びにならなかった場合にも後悔することが多いです。
事前に歯科医師と患者の間で仕上がりのイメージを擦り合わせているものの、歯科医師の腕や歯を動かす距離によってどうしても思った通りの歯並びにならないこともあります。
特に矯正矯正は患者の日々の生活習慣やトラブルによって歯が予想できない方向に動くこともあるため、思ったように行かない可能性も考えておかなければなりません。
また小顔効果を期待して歯列矯正を始める方も多いですが、小顔効果を実感できない場合にも後悔する方が多いようです。こういったことからも、そもそも歯列矯正は難しい治療であることを認識しておくとよいでしょう。
対処方法
イメージどおりの歯並びにするには、こまめに綿密なシミュレーションをすることが大切です。
口腔内スキャナを使うことにより、治療前に歯の動きや仕上がりを3Dでシミュレーションをしてもらいましょう。ただし、正確にシミュレーションをしても、理想通りの仕上がりになるわけではありません。
矯正前の歯並びに戻ってしまった
治療した歯並びが矯正前の歯並びに戻ってしまうケースもあります。
歯を動かした後は、歯が動きやすい状態です。そして歯には元の位置に戻ろうとする力が働くため、放置してしまうと、元の位置に戻ってしまいます。
対処方法
矯正の後戻りを防ぐにはリテーナーという装置をしっかりと装着し続けることです。個人差があるものの、リテーナーの装着時間は矯正器具を装着していたときと同じように一日20時間以上、そして少なくても1年以上は続けなければなりません。
さらにリテーナーの装着は自己管理になるので、歯科医師の指示に従い、装着を怠らないようにしましょう。
抜歯をされてしまった
歯列矯正には歯が並ぶために抜歯する必要があることもあります。もちろん、歯科医師が患者に説明する義務があり、同意を得てから抜歯をします。
しかし、説明がないまま、抜歯をされてしまうケースもあります。治療を受ける際は抜歯の説明があったかを確認しながら進めましょう。
対処方法
対処方法としては抜歯以外に歯のスペースを確保する提案をしてくれる歯科医院を選べるかどうかです。しかし、実は歯列矯正によって抜歯をするケースは多く、特に日本人ならおおよそ7割以上の方が抜歯をしています。
もちろん、個人差があるのですが、日本人は顎が小さい傾向があるため、歯を動かすスペースを確保するのに抜歯せざるをえません。どれくらい動かすかにもよるので、抜歯をするかしないかは歯科医師に聞いてみると良いでしょう。
歯を削られてしまった
歯を動かすスペースを確保するために歯を削られたというケースも後悔するケースとして多いです。歯を削ることに対して抵抗がある方は多いですが、歯列矯正の場合の削る量は0.2〜0.5mmと非常に微量になります。
歯科医師が歯を削る量は必要最低限に調節してくれるので、削られすぎることはないので安心しましょう。
対処方法
個人差があるものの、歯を削るのは歯列矯正において歯を動かすスペースを確保するために必要な過程です。そのため、いかに歯を削る量を少なくするかがポイントです。
しかし、基本的に歯科医師が歯を削る量を必要最低限にしてくれます。技術が高く、信頼できる歯科医師に治療を頼むようにしましょう。
歯の神経が死んでしまった
歯列矯正によって歯の神経が死んでしまったという原因で後悔する人も少なくありません。これは歯を動かすスピードに対して歯の神経が追いつかずに切れてしまったりすることで発生します。
決して高い確率ではないものの、歯列矯正の偶発症としてのリスクは存在しているので注意が必要です。
対処方法
歯の根元が死んでしまうと、抜髄という歯の神経をとる治療をおこなわなくてはなりません。そして神経を失っても歯がなくなるわけではなく、その歯を長持ちさせるようにする方が多いです。
神経の通っていない歯は黒く変色する可能性があります。もし神経が死んでしまった場合はセラミックの歯を用意することも検討しましょう。
出っ歯になってしまった
抜歯をしない歯列矯正で後悔する原因として多いのが、出っ歯になってしまったケースです。まだ抜歯をする歯列矯正が多いものの、最近は徐々に非抜歯矯正でも矯正治療がおこなえるようにマウスピース矯正が増えています。
そのため、このトラブルも増加傾向にあります。このパターンはそもそも顎が小さく歯が並ぶスペースが十分にないのに歯を削るといった方法でマウスピース矯正をすることが原因です。
対処方法
出っ歯になった場合は再度矯正治療をすることが対処方法となります。ただし、一度目と違い歯を並べるスペースを確保するために抜歯したり、より多く歯を削る可能性が高いです。
何度も矯正治療をすると歯が少なくなってしまうので、一度で完結するように矯正治療を終了させましょう。
関連記事:歯列矯正をすると歯茎は引っ込む?3つの治療方法を紹介
噛めなくなってしまった
歯列矯正によって噛めなくなるというトラブルが起こることもあります。歯科医師に技術不足や経験不足により起こってしまう問題です。
歯列矯正は理想の噛み合わせを決めて、そこに向かって歯を動かしていきます。しかし、「ゴール設定が間違っている」「プロセスが間違っている」ことが原因ですので、注意しましょう。
対処方法
この場合の対処方法は再度歯列矯正をする以外の方法がありません。そして問題なく噛めるようにするためには治療計画から見直していく必要があります。
そのため、歯科医師に何が原因で噛めなくなったのか、そしてどのような治療計画だと噛み合わせが整うのか聞いてみましょう。ただし、噛み合わせが変わったことによりまだ口が慣れていないケースもあるため、ある程度歯が口になじむまで様子を見たほうがいいです。
顔が面長になってしまった
歯列矯正によって顔が面長になってしまうトラブルも後悔する原因の一つです。矯正治療では噛み合わせの位置や高さが変わることから顔貌も変化します。
もちろん、良い方向に変化するように予測を立てて治療をおこなうものの、思っていたのとは違う方向に変化する可能性もあります。
対処方法
顔が面長になった場合、表情筋のトレーニングや食物の摂取量によって改善することがあります。そういった方法で解決しない場合は、美容整形や再度歯列矯正によって解決するしかありません。
ただし、歯列矯正によってそもそも骨格が変化して面長になってしまった場合は治療を治すことは難しいことを認識しておきましょう。
ほうれい線が濃くなってしまった
抜歯矯正や出っ歯を治療するような歯列矯正をおこなうことにより、口元が凹み、ほうれい線が濃くなるといったケースも少なくありません。
口元を凹ませることで、それまで出っ張っていた口を覆っていた軟組織が余ってしまい、ほうれい線が濃くなることがあります。ただし、抜歯をして歯列矯正をしたからと言って必ずしもほうれい線が濃くなるわけではありません。
対処方法
ほうれい線は表情筋によって解決することがあります。トレーニングすることで解決することもあれば、口元のコンプレックスが解決してよく笑うようになったことにより自然と表情筋が鍛えられるケースも少なくありません。
どうしてもほうれい線が気になる場合は、美容外科に向かってみましょう。
関連記事:歯列矯正はほうれい線ができる?目立つケースと対策を紹介
虫歯や歯周病が進行してしまった
歯列矯正中は矯正装置を装着することにより、口の中の衛生環境が悪くなり、虫歯や歯周病が進行してしまうといったトラブルが起こりやすいです。
症状を放っておくと歯肉が収縮して歯が長くなったり、歯の神経が切れてしまったり、最悪の場合歯がなくなったりと歯並びが良くなっても見栄えが悪くなる可能性もあります。
虫歯や歯周病は歯列矯正において最も注意するべきリスクでもあるため、注意しましょう。
対処方法
虫歯や歯周病を対策するには以下のような行動をしましょう。
- 食後の歯磨きを徹底する
- 歯だけではなく、矯正器具のケアもおこなう
- 歯間ブラシで歯の隙間までしっかりケアする
- コーヒーやジュースなどの着色のある飲み物を避ける
歯科医師からも指示があるようにこういった行動を徹底するかどうかで歯周病や虫歯のリスクを圧倒的に軽減できます。
顎関節症になってしまった
歯列矯正によって顎関節症になって後悔するというケースも少なくありません。そもそも歯列矯正をする人は顎自体にも左右差があり、顔が歪んでしまっているケースが多いです。
そういった左右差をなくすために歯列矯正をするのですが、本来の顎の位置に適応しきれずに顎関節症を引き起こす可能性があります。
対処方法
顎関節症の対処方法はとにかく安静にすることが効果的です。顎に痛みや違和感がある状態で、無理に動かそうとしたり、痛みを我慢すると余計に悪化するので安静にしましょう。
安静にしても痛みが引かなければすぐに歯科医院に向かい、治療してもらうと良いです。再度顎の位置を調節した場所で歯列矯正をおこなうと完治するということを覚えておくと冷静に対処できるでしょう。
治療を受けていた医院が閉院してしまった
歯列矯正をおこなっている最中に医院が閉院してしまうといったトラブルも後悔の種になるでしょう。非常に稀ではあるものの、患者に通告や返金もなしに突然クリニックとの連絡が取れずに治療中のまま放置されるといったケースがあります。
治療をしてくれる歯科医師の突然の訃報によるケースもあるため、仕方がない部分もあるでしょう。
対処方法
閉院してしまった場合はすぐに切り替えて他の歯列病院にまずは相談に行ってみましょう。費用面は確かにかさむかもしれませんが、一度治療を開始した状態で止めてしまうと余計に時間とお金がかかります。
とにかく違う歯科医院で診てもらうようにするとよいです。返金問題については、弁護士事務所の無料相談を利用してみましょう。
費用が高くなってしまった
歯列矯正が高額な理由は、材料費や技術料の高さです。矯正歯科で使用されるワイヤーやブラケット、マウスピースなどは、特殊な素材で緻密に作られています。
また、施術を行うのは矯正治療に特化した専門の歯科医師であるため、材料費や技術料が高額になります。
対処方法
歯列矯正は保険適用外のため、費用が高くなっています。ただし、厚生労働省が定めた条件に当てはまる場合は、保険適用で歯列矯正を行うことができます。
関連記事:歯列矯正の費用が高い理由とは?費用を抑える具体的な方法
歯列矯正が必要な人
歯列矯正が必要かどうかは個人の歯の状態によりますが、たとえば以下の3つに当てはまる方は歯列矯正を検討してもいいでしょう。
- 叢生(歯がデコボコにずれていたり、重なって生えていたりとガタガタは歯並びのこと)
- 出っ歯(上顎前突と言われ、上顎が下顎よりも前に出っ張っている歯並びのこと)
- 受け口(下顎前突と言われ、下の歯列や下顎が上顎よりも前に出ている歯並びのこと)
これらの歯並びだけでなく、他にも以下のURLで紹介されているような歯並びの方は歯列矯正をしたほうが後々のメリットが大きいでしょう。
関連記事:歯科矯正をしたほうがいい人を紹介!矯正が必要な人とは?
「歯列矯正をやらなきゃよかった」とならないために
「歯列矯正をやらなきゃよかった」とならないためには以下の4つのポイントに注意する必要があります。
歯列矯正の予備知識をつける
歯列矯正を進めるにあたり、予備知識を付けておく必要があります。専門的な知識を付ける必要はないものの、どういった矯正器具を使うのか、メリットやデメリットといった特徴は抑えておきましょう。
こういった知識を持っているかどうかで、失敗するリスクや日常の危険をかなり避けられるので、おすすめです。
シミュレーションをする
後悔を防ぐためにはシミュレーションをあらかじめおこなっておくことが大切です。治療を終えた後の歯並びはどうなるのか、一定期間でどれくらい歯を動かす予定なのかといったシミュレーションを重ねて理解しておくと失敗のリスクは激減するでしょう。
徹底して歯科医師とコミュニケーションをとって、シミュレーションをこまめに重ねるようにすると良いです。
矯正相談を受ける
後悔を防ぐには歯科医師に矯正相談をしっかりとおこなうことです。歯科医師に相談をすることによって以下の点が解決できるでしょう。
- 不安な点
- 不明な点
- 治療計画とのずれの改善
- 予期しないトラブルへの早めの対処
こういったポイントを解決できると圧倒的に後悔する可能性が低くなるので、歯科医師への相談はすべて納得するまでおこなうようにすると良いです。
信頼できる歯科医院を選ぶ
治療による後悔を防ぐには信頼できる歯科医院を選ぶことが大切です。どうしても歯列矯正は長い治療期間であるため、歯科医師の腕によって治療の効果が変わることも少なくありません。
また信頼関係を築けないと相談もできず、治療に不安を覚えるでしょう。歯列矯正は患者だけでなく、歯科医師との二人三脚で進めるものでもあるので、信頼できるかどうかというポイントを重視するのもおすすめです。
まとめ
歯列矯正を後悔するパターンは主に今回紹介したような11個のパターンに分類されます。どのパターンにも当てはまらないように何度も歯科医師とコミュニケーションを取りつつ、治療を進めていくことが歯列矯正の後悔を防ぐ、最も有効的な方法です。
あらかじめ今回の内容を頭に入れておくと、避けられるリスクや取れる選択も変わってくるので、理解しておきましょう。
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コラム監修者
- はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック 院長 平山脩
- 岡山大学歯学部卒業後、岡山大学病院総合歯科に勤務。その後、大阪市内の歯科医院に勤務し、はぴねす歯科緑地公園駅前クリニックに勤務。2022年11月、はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック院長に就任。
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