30代で歯列矯正は遅い？メリットとデメリットを解説

歯列矯正は、歯並びや噛み合わせの改善を目的に行う治療です。

「歯並びが気になるけど、30代からの歯列矯正は遅い？」

「なるべく早く、目立たない方法で歯の見た目を整えたい」

と、矯正治療にあたって不安を抱いている方も多いでしょう。

30代から始める歯列矯正には、メリット・デメリットがあります。

そこで、今回は以下の内容について解説します。

  • 30代で歯列矯正は遅い？
  • 30代で歯列矯正をするメリット
  • 30代で歯列矯正をするデメリット
  • 30代におすすめの歯列矯正の種類

この記事を読むことで、矯正治療に対する不安を解消し、ご自身に合った方法で歯の印象を改善することができるようになります。

歯列矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

歯列矯正をご検討中の方はお気軽にご相談ください！

30代で歯列矯正は遅い？

「矯正治療は子どものうちから始めるもの」というイメージをお持ちの方も多いでしょう。

しかし、大人になってからでも歯列矯正を始めることは可能です。

子どもの歯列矯正にはⅠ期治療とⅡ期治療があります。

Ⅰ期治療は永久歯が生え揃う前に行うものですが、Ⅱ期治療は永久歯が生え揃ってから始める治療です。

このⅡ期治療と、大人の歯列矯正はほとんど変わりません。

永久歯が生え揃って以降ならば、どの年代でも歯列矯正を受けられます。

30代から歯列矯正を始めても遅いということは決してありませんので、安心してご検討ください。

30代で歯列矯正をするメリット

30代から歯列矯正を始めるメリットとして、次の3つが挙げられます。

  • コンプレックスを解消できる
  • 全身の健康維持に繋がる
  • 虫歯や歯周病の予防になる

それぞれ詳しく解説します。

コンプレックスを解消できる

歯列矯正を検討している方の中には、

「歯並びが気になって、笑顔がぎこちなくなってしまう……」

「自分の口元が相手に悪い印象を与えていないか心配」

とお悩みの方も多いでしょう。

歯列矯正によって美しい歯並びを手に入れると、笑顔に自信が持てるようになります。

また、発音の改善も見込めるため、会話など対人スキルの向上も期待できます。

営業など、人と会話する機会の多い仕事の方や、積極的にコミュニケーションを取って人間関係を広げたい方は、歯列矯正を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

全身の健康維持に繋がる

歯列矯正は、歯並びだけでなく、噛み合わせの悪さも改善する治療です。

噛み合わせが悪いと、特定の歯や顎に過度な負担がかかり、歯の破折や顎関節症の原因に。

顎関節症から頭痛や肩こりなど、全身の不調を来たす恐れもあります。

また、食べ物をうまく噛めていないと、消化不良の原因にもなります。

歯列矯正による噛み合わせの改善は、全身の不調の解消にも繋がるのです。

虫歯や歯周病の予防になる

歯が重なっていたり、捻じれて生えていたりすると、磨き残しが多くなります。

食べカスは虫歯や歯周病の原因菌の大好物。

しっかり清掃できていないと、虫歯や歯周病、口臭のリスクが高まるのです。

歯列矯正で歯並びを整えると、ブラッシングなどのケアがしやすくなるというメリットも得られます。

もちろん毎日のホームケアは欠かせませんが、歯列矯正で虫歯や歯周病になるリスクは確実に下げられるでしょう。

30代で歯列矯正をするデメリット

30代からの歯列矯正にはメリットだけでなく、次のようなデメリットもあります。

  • 長い矯正期間が必要になる
  • 費用が高くなる
  • 歯列矯正による痛みがある
  • 副作用やリスクが伴う

それぞれについて見ていきましょう。

長い矯正期間が必要になる

子どもの歯と比べて、大人の歯を動かすには長い時間がかかります。

年齢が上がれば上がるほど、歯列矯正にかかる期間は長くなる傾向にあるのです。

早く歯並びを整えたい場合は、できるだけ早く歯列矯正を開始することをおすすめします。

費用が高くなる

歯列矯正の治療費は、基本的に全額自己負担となります。

歯並びや噛み合わせ、矯正方法、治療を受ける歯科医院によっても異なりますが、費用相場は30～150万円と高額です。

矯正で抜歯が必要な場合は、さらに費用がかかります。

歯列矯正を検討する際は、あらかじめどのくらいの費用がかかるかを歯科医院に確認しておきましょう。

なお、歯科医院によってはデンタルローンを組めるところもあります。

一括で治療費を支払うことが難しい場合は、ぜひ検討してみましょう。

歯列矯正による痛みがある

30代に限らず、どの年代にも共通して、矯正装置が口内に当たって生じる痛みや、歯が動くことによる痛みが起きる可能性があります。

奥歯に金属製のバンドをつけるために歯と歯の隙間を開く「セパレーション」という処置をした場合には、激しい痛みを伴うケースもあるようです。

矯正装置が当たって生じている痛みは、早めに歯科医師に相談して対処してもらいましょう。

歯が動くことによる痛みは、ほとんどの場合一時的なものです。

ただし、強い痛みが長引く場合には歯科医師にご相談ください。

副作用やリスクが伴う

歯列矯正で起こりうる代表的な副作用やリスクとして、次のものが挙げられます。

  • 虫歯
  • 歯周病
  • 歯肉退縮
  • ブラックトライアングル
  • 顔つきの変化

前述したメリットの部分で、矯正治療が虫歯や歯周病の予防になることをお伝えしました。

しかし、矯正治療中は逆に虫歯や歯周病のリスクが上がる可能性があります。

とくに歯の表面にブラケットを貼り付けるワイヤー矯正では注意が必要です。

ブラケット部分の磨き残しが多くなりやすいため、そこから虫歯や歯周病になってしまうケースも。

また、歯列矯正で歯に力をかけると、歯を支えている歯槽骨の骨の再生が滞ってしまう可能性もあります。

歯槽骨の吸収が続くと歯肉が下がり、歯根が露出して知覚過敏や根面う蝕のリスクも高まります。

ブラックトライアングルは、歯と歯、そして歯ぐきに囲まれた部分で形成された三角形の隙間です。

歯周病の適切な治療を行わずに歯列矯正を進めると、ブラックトライアングルができやすくなるといわれています。

歯周病の罹患率は年齢とともに上昇傾向にあるため、大人になってからの歯列矯正ではブラックトライアングルができやすく、新たな見た目の問題につながる可能性もあることをおさえておきましょう。

また、歯列矯正によりほうれい線や人中が目立ったり、頬がこけたりと、顔つきが変わることも珍しくありません。

歯科矯正を受ける際は、治療完了時の歯並びだけでなく、顔つきのイメージも歯科医師にしっかりと伝えておくことが大切です。

30代におすすめの歯列矯正の種類

30代におすすめの歯列矯正は次の2種類です。

  • ワイヤー矯正
  • マウスピース矯正

それぞれの特徴と、メリット・デメリットについて解説します。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯の表面に取り付けたブラケットにワイヤーを通して歯に力をかける矯正方法です。

三次元的な歯の移動や、長距離の歯の移動に適しており、さまざまな症例に適しています。

また、細かな調整が効きやすく、希望するイメージに近づけやすいというメリットもあります。

歯の表側にブラケットをつける表側矯正では、矯正装置が目立ちやすいのが欠点です。

しかし、歯の裏側にブラケットをつける裏側矯正に対応している歯科医院もあります。

裏側矯正は表側矯正よりも難易度が高いため、歯科医院・歯科医師選びがより重要になります。

マウスピース矯正

インビザラインに代表される、マウスピースで徐々に歯並びを整えていく矯正方法です。

歯を平行移動させていく矯正方法のため、歯が重なって生えている叢生や、捻じれた歯の矯正には適していません。

ワイヤー矯正よりも歯にかける力が弱く、痛みや違和感が生じづらいのがメリットですが、その分矯正期間が長引く可能性があります。

また、矯正期間中は毎日20時間以上のマウスピースの装着が必要です。

そのため、自己管理が苦手な方には向いていないかもしれません。

まとめ

今回は30代で歯列矯正をできるかどうかについて解説してきました。

歯列矯正は何歳から始めても決して遅いということはありません。

ただし、年齢を重ねるにつれ、歯列矯正の注意点やリスクは増えていきます。

本記事で30代から始める歯列矯正の特徴やメリット・デメリットをおさえ、適切な矯正方法での治療を進めましょう。

歯列矯正をご検討中の方はお気軽にご相談ください！

平山脩

コラム監修者

はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック 院長 平山脩
岡山大学歯学部卒業後、岡山大学病院総合歯科に勤務。その後、大阪市内の歯科医院に勤務し、はぴねす歯科緑地公園駅前クリニックに勤務。2022年11月、はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック院長に就任。

はぴねす歯科グループ

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