歯列矯正の20年後に考えられるリスクときれいな歯並びを保つポイント

  • 矯正

無料相談受付中!お気軽にご連絡ください

「歯列矯正で整えた歯並びが20年後も維持できるのか知りたい」

「歯列矯正から20年後に生じるリスクがあるか把握したい」

歯列矯正をおこなった方のなかには上記のようなお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょか?

歯列矯正から時間が経過すると、歯並びがもとの位置に戻ろうとする後戻りが起こる場合があります。この記事では、歯列矯正をおこなった20年後に生じ得るリスクや、費用と時間をかけて手に入れたきれいな歯並びを保つポイントを解説します。

歯列矯正から20年後に再治療が必要なケースや、再治療にかかる費用もご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

目次

歯列矯正の20年後に考えられるリスク

歯列矯正の20年後に考えられるリスクは、以下の3つです。

  • 歯並びの後戻りが発生する
  • 加齢や歯周病により歯茎が下がる
  • 噛み合わせが変化し頭痛や肩こりを引き起こす

1つずつ解説します。

歯並びの後戻りが発生する

歯列矯正後の後戻りは、矯正治療をおこなうすべての方が避けたいリスクです。矯正で動かした歯は、何もしないともとの位置に戻ろうとします。

治療後のリテーナーを自己判断でやめてしまうと、20年といった期間をかけて少しずつ歯が動き、歯並びが乱れる後戻りを引き起こす場合があるため注意が必要です。リテーナーの装着期間は自己判断ではなく、歯科医院の指示に従いましょう。

加齢や歯周病により歯茎が下がる

たとえ歯列矯正で歯並びを整えた場合でも、加齢や歯周病によって歯肉退縮を引き起こすおそれがあります。歯肉退縮は20代後半から始まり、加齢とともに歯茎の弾力性が失われて歯肉退縮が進みます。

また、歯茎は歯を支える骨と連動しているため、歯周病で骨が溶かされると、歯茎が下がってしまうのです。歯列矯正から20年後、加齢や歯周病によって歯が長くなったと感じた場合は、歯科医師へご相談ください。

噛み合わせが変化し頭痛や肩こりを引き起こす

歯列矯正から20年といった期間での噛み合わせの変化は、原因不明の頭痛や肩こりを引き起こす場合があります。後戻りや歯ぎしりによって噛み合わせに微細なズレが生じ、顎の筋肉が常に緊張した状態になるのが、頭痛や肩こりを引き起こす原因です。

自分では気づきにくい口腔内の変化が、首や肩、頭部へと伝わって、慢性的な痛みになります。歯列矯正後に原因不明の頭痛や肩こりが発症した場合、歯科医師に噛み合わせを確認してもらいましょう。

歯列矯正の20年後も美しい歯並びを維持するポイント

歯列矯正の20年後も美しい歯並びを維持するポイントは、以下の5つです。

  • リテーナーの継続的な使用と管理を徹底する
  • 定期的な歯科検診とクリーニングを受ける
  • 正しい歯磨きと口腔ケアを習慣にする
  • 歯ぎしりや食いしばりなどの悪習癖を改善する
  • 噛み合わせの変化に注意し早期に相談する

1つずつ見ていきましょう。

リテーナーの継続的な使用と管理を徹底する

歯は歯列矯正後も動き続けるため、歯並びを固定するリテーナーの使用は、歯科医師の指示通りに継続しましょう。とくに就寝中の使用を長期間続けるのが、後戻りを防ぐのに有効な方法です。

また、リテーナー自体も清潔に管理し、破損や劣化がある場合は速やかに交換するのが大切です。

定期的な歯科検診とクリーニングを受ける

きれいな歯並びを維持するためにも、約3カ月〜半年に1回は歯科検診をおこないましょう。定期的な歯科検診により、後戻りの兆候や噛み合わせの変化、虫歯や歯周病の初期症状に即座に対応できます。

また、セルフケアでは除去できない歯石を定期的にクリーニングしてもらうのは、歯並びの土台となる歯と歯茎の健康を守るうえでも重要です。

関連記事:歯列矯正で虫歯になりやすい理由と適切な予防方法を紹介 | はぴねす歯科・矯正歯科 尼崎駅前クリニック

正しい歯磨きと口腔ケアを習慣にする

毎日の歯磨きはもちろん、デンタルフロスや歯間ブラシを使う習慣を身につけましょう。美しい歯並びは、健康な歯と歯茎によって維持できます。

デンタルグッズを活用した丁寧な歯磨きは、後戻りのきっかけになる歯周病を予防し、20年といった長い期間にわたってきれいな歯並びを保つのに効果的です。

歯ぎしりや食いしばりなどの悪習癖を改善する

就寝中に無意識におこなっている歯ぎしりや食いしばりを改善するのも、きれいな歯並びを保つうえで重要です。歯ぎしりや食いしばりは、歯や顎に強い力をかけ、歯並びを乱す原因となります。

自分専用のナイトガードを作成・装着すると、歯や歯並びを守れるため、朝起きた時に顎が疲れているといった自覚症状がある場合、歯科医師に相談してみましょう。

噛み合わせの変化に注意し早期に相談する

「リテーナーが少しきつくなった」「食べ物が挟まりやすくなった」など、ご自身の口腔内の些細な変化に気づくのもきれいな歯並びを維持するポイントです。違和感を放置した結果、再治療が必要になるケースもあります。

歯列矯正では、早期発見・早期対応が、20年後もきれいな歯並びをたもつうえで重要です。「これくらい大丈夫だろう」と自己判断せず、変化を感じたらすぐに治療を受けた歯科医院へご相談ください。

歯列矯正の20年後に再治療が必要なケース

歯列矯正の20年後に再治療が必要なケースは、以下の3つです。

  • 歯列矯正後に後戻りを起こした
  • 加齢や新たな口内環境の変化が起きた
  • 初回の治療結果に満足していなかった

それぞれご紹介します。

歯列矯正後に後戻りを起こした

歯列矯正後に後戻りを起こすのは、リテーナーの使用不足が主な原因で、再治療を検討する典型的なケースです。歯はもとの位置に戻ろうとする性質があるため、20年といった期間で少しずつ動いてしまいます。

後戻りは見た目の問題だけでなく、噛み合わせの不調や歯磨きのしにくさなどを引き起こすため、機能面でも再治療が必要です。

加齢や新たな口内環境の変化が起きた

初回の歯列矯正は成功したものの、加齢や新たな口内環境の変化が起きた場合も、再治療が必要になるケースに該当します。加齢や新たな口腔問題の例として、歯周病で歯を支える骨が弱ったり、歯を失って隣の歯が倒れ込んできたりなどがあります。

リテーナー不足の後戻りとは異なり、20年の間に生じた新しい問題に対応するための治療が必要です。

初回の治療結果に満足していなかった

20年前の歯列矯正で歯並びは整ったものの、「口元の突出感が解消されなかった」「噛み合わせに違和感が残っていた」など、当時は諦めていた不満点を、改めて理想の口元にするために再治療を希望するケースがあります。

最新の技術や診断方法により、以前は困難だった治療が可能になっている場合もあるため、歯列矯正後の仕上がりに満足がいかなかった方は、再治療を検討しましょう。お世話になった歯科医院に不安のある方は、セカンドオピニオンを活用するのもおすすめです。

 

関連記事:歯列矯正で後悔する理由と後悔しないための対策 | はぴねす歯科・矯正歯科 尼崎駅前クリニック

歯列矯正の20年後に再治療が可能な症例とそうでない症例

以下で、歯列矯正の20年後に再治療が可能な症例とそうでない症例を解説します。

再治療が可能な症例

歯列矯正の20年後に再治療が可能な症例は、以下の2つです。

  • 軽度な後戻りで部分的な歯並びの乱れがある
  • 噛み合わせに問題がなく歯周組織が健康である

1つずつ解説します。

軽度な後戻りで部分的な歯並びの乱れがある

前歯といった部分的な箇所が少しズレてしまったケースです。問題が一部分に限定されているため、すべての歯を動かす必要がなく、部分矯正が選択できます。

後戻りによる部分的な歯並びの乱れは、再治療可能な症例の1つです。

噛み合わせに問題がなく歯周組織が健康である

歯周組織の健康は、再び歯列矯正をおこなうのに必須の条件です。歯を動かす土台となる歯茎や顎の骨が健康の場合、歯を安全に動かせます。

奥歯の噛み合わせに大きな問題がなく、歯周病が進行していない場合は、見た目を整えるための再治療は十分に可能です。

再治療が困難な症例

歯列矯正の20年後に再治療が困難な症例は、以下の4つです。

  • 歯周病が重度に進行しており歯を支える骨が不足している
  • 重度の顎関節症を抱えている
  • 歯の根が極端に短くなっている
  • 全身疾患により治療へのリスクが高い

それぞれ解説します。

歯周病が重度に進行しており歯を支える骨が不足している

重度の歯周病によってその土台となる骨が溶けてしまっている場合、再治療は困難です。歯周病が進行している状態で、無理に歯を動かすと、歯がさらに不安定になったり、最悪の場合抜け落ちてしまったりする危険性があります。

歯列矯正の再治療よりも歯周病の治療に専念し、骨や歯茎の状態を安定させるのが最優先です。

重度の顎関節症を抱えている

重度の顎関節症をお持ちの方は、歯列矯正の再治療ができない場合があります。口を開けると痛む、音が鳴る、開けにくいといった重度の顎関節症があると、噛み合わせを変える歯列矯正で、症状がさらに悪化するリスクがあるためです。

歯列矯正の前に、スプリント治療で顎関節の状態を安定させる必要があり、症状によっては再治療そのものが困難と判断される場合もあります。

歯の根が極端に短くなっている

初回の歯列矯正の影響により、歯根が通常より短くなっていると再治療が困難です。歯は歯茎のなかにある歯根によって支えられていて、すでに短い歯根にさらに力をかけて動かすと、歯の寿命を著しく縮めるリスクがあります。

歯根吸収が発症している場合は、患者さんの安全性を最優先し、再治療は困難と判断されるケースが多いです。

全身疾患により治療へのリスクが高い

全身疾患がある場合も、歯列矯正の再治療が困難と判断されるケースの1つです。コントロール不良の重度の糖尿病や、骨粗しょう症の特定の薬を服用している場合など、全身の健康状態によっては、歯列矯正の再治療ができない歯の移動や骨の再生が正常におこなわれないリスクがあります。

体の安全が最優先されるため、まずはかかりつけ医と矯正歯科医との連携のもと、治療が可能かどうかを慎重に判断する必要があります。

歯列矯正の20年後に後戻りした場合の再治療方法と費用

歯列矯正の20年後に後戻りした場合の再治療方法は、以下の4つです。

  • 軽度な後戻りに対応する部分矯正
  • 全体的な再治療におすすめなワイヤー矯正
  • 目立ちにくいマウスピース矯正による再治療
  • 審美性を短期間で改善するセラミック治療

各治療法の費用相場と合わせて解説します。

軽度な後戻りに対応する部分矯正

部分矯正は、前歯の数本だけが少し乱れた、小さな隙間ができたなど、後戻りの範囲が限定的な場合におすすめな治療法です。全体の歯を動かす必要がないため、治療期間は数ヶ月〜1年程度と短く、費用も10万円〜40万円程度に抑えられるのがメリットです。

部分矯正は、気になる部分だけを効率的に治したい方に向いています。

全体的な再治療におすすめなワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯並び全体が大きく崩れ、噛み合わせを根本的に治す必要がある場合におすすめな治療法です。あらゆる症例に対応できる適応範囲の広さと、歯を精密に動かせる確実性がメリットです。

ただし、全体矯正のワイヤー矯正は、治療期間が1年半〜3年程度、費用も60万円〜100万円以上と、時間とコストがかかります。

目立ちにくいマウスピース矯正による再治療

透明なマウスピースを交換しながら歯を動かすマウスピース矯正は、見た目を重視する方に向いています。軽度〜中程度の後戻りに対応でき、取り外して食事や歯磨きができるため衛生的です。

マウスピース矯正の費用は部分的な治療で約30万円〜、全体的な治療で約70万円〜が目安で、治療の成功には1日20時間以上の装着時間を守る自己管理が重要です。

審美性を短期間で改善するセラミック治療

セラミック治療は歯を動かす矯正ではなく、歯を削りセラミックの被せ物で見た目だけを短期間で整える審美歯科治療です。数週間で治療が完了する速さがメリットですが、健康な歯を削る必要があり、削った歯はもとに戻せません。

セラミック矯正の費用は1本あたり8万円〜15万円程度で、根本的な解決よりも即時性を求める場合におすすめな選択肢です。

再治療を受ける歯科医院選びのポイント

再治療を受ける歯科医院選びのポイントは、以下の4つです。

  • 矯正治療と再治療の実績が豊富な歯科医師がいる
  • 精密検査やカウンセリングを丁寧におこなってくれる
  • 多様な矯正装置の選択肢を提案してくれる
  • 治療後の保証やメンテナンス体制が整っている

1つずつ押さえていきましょう。

矯正治療と再治療の実績が豊富な歯科医師がいる

過去の治療の問題点を正確に見抜き、解決策を導き出せる再治療の経験が豊富な歯科医師を選ぶのが重要です。再治療は、初回の治療よりも原因分析や治療計画が複雑になるため、歯科医師の経験と技術力が求められます。

再治療をおこなう際は、ホームページで歯科医師の経歴や症例数を確認し、専門的な資格を持つ歯科医師を選びましょう。

精密検査やカウンセリングを丁寧におこなってくれる

セファロ(頭部X線規格写真)やCTなどを用いた精密検査をおこない、現状の問題点やリスク、治療のゴールを患者さんが納得できるまで時間をかけて説明してくれる歯科医院を選ぶのが大切です。なぜ再治療が必要になったのか、その原因を徹底的に分析するのが治療結果の満足度につながります。

「なぜ失敗したのか」といった問いに、真摯に向き合ってくれる姿勢を持った歯科医院を選びましょう。

多様な矯正装置の選択肢を提案してくれる

ワイヤー矯正(表側・裏側)やマウスピース矯正など、特定の治療法に偏らず、多様な選択肢をメリット・デメリットと共に公平に提示してくれる歯科医院を選ぶのが安心です。患者さんの口腔内の状態やライフスタイル、予算によっておすすめの治療法は異なります。

選択肢が豊富なのは、それだけ多くの症例に対応できる技術力がある証です。

治療後の保証やメンテナンス体制が整っている

治療後の保証やメンテナンス体制が整っているのは、「今度こそ失敗したくない」といった不安に応える医院の条件です。

長期的な視点でサポートしてくれる体制が、安心につながります。再治療をおこなう際は、歯科医院の治療結果に対する保証制度の有無や、後戻りを防ぐための定期検診プログラムを確認しましょう。

まとめ

歯列矯正から20年後も綺麗な口元を保つには、治療後の継続的なメンテナンスが欠かせません。とくに保定装置の使用は、後戻りを防ぐために重要な習慣です。

定期的な検診もあわせておこない、長期的なリスクを避け、大切な歯を生涯の財産として守りましょう。

当院では、矯正治療をおこなう前の矯正相談を無料でおこなっています。また、矯正相談を受けたからと言って、必ず矯正治療をしなければいけないわけではありません。ぜひお気軽にご相談ください。

無料相談受付中!お気軽にご連絡ください

平山脩

コラム監修者

はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック 院長 平山脩
岡山大学歯学部卒業後、岡山大学病院総合歯科に勤務。その後、大阪市内の歯科医院に勤務し、はぴねす歯科緑地公園駅前クリニックに勤務。2022年11月、はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック院長に就任。

はぴねす歯科グループ