ガミースマイルは自力で治すことは可能?トレーニングを紹介
ガミースマイルとは、笑ったときに歯ぐきが目立つ状態のことです。
ガミースマイルにお悩みの方のなかには、「ガミースマイルは自力で治すことができるの?」「本格的な治療を始める前に、トレーニングで改善できるか試してみたい」と考えている方もいらっしゃるでしょう。
ガミースマイルの根本的な改善には、歯科医院など医療機関での治療が必要です。
しかし、ご自身でトレーニングを行うことで、症状を軽減できる場合もあります。
そこで、今回は以下の内容について解説します。
- ガミースマイルを自力で治せるケースと治せないケース
- ガミースマイルを自力で改善するためのトレーニング方法
- 生活習慣の改善でガミースマイルを目立たなくする方法
- ガミースマイルを自力で治せない場合の選択肢
この記事を読むことで、ガミースマイル改善に効果的なトレーニング方法や、自力で改善できる可能性について正しく理解できるようになります。
歯科医院に相談する前に、自宅でできる改善方法を試してみたい方は、ぜひご参考にしてください。
目次
ガミースマイルを自力で治せるケースと治せないケース
ガミースマイルの改善方法として、自力でのトレーニングが効果的な場合もあれば、専門的な治療が必要な場合もあります。
ここからは、自力で治せるケースと治せないケースについて、それぞれ詳しく解説します。
自力で改善しやすいケース
自力でガミースマイルの改善が見込めるケースは、主に以下のとおりです。
- 軽度のガミースマイル(歯茎の露出が少ない)
- 口周りの筋肉や表情のクセが原因の場合
- 口輪筋(口の周りの筋肉)が弱いために歯茎が目立つ場合
それぞれのケースについて解説します。
軽度のガミースマイル(歯茎の露出が少ない)
歯茎の露出が少ししかない場合は、自力でガミースマイルを改善できる可能性があります。
鏡などを用いて自分の笑顔を確認して、歯茎の露出を抑えた自然な笑顔を研究してみましょう。
日常的にその笑顔を意識して表情をつくることで、改善が見込めます。
口周りの筋肉や表情のクセが原因の場合
無意識な口周りの筋肉の使い方や表情のクセがガミースマイルの原因となっている場合、トレーニングによって歯茎の露出が軽減できる可能性があります。
ガミースマイルの改善に効果が期待できるトレーニングについては後述します。
口輪筋(口の周りの筋肉)が弱いために歯茎が目立つ場合
口輪筋が弱いと、笑顔や会話の際に歯茎が目立ちやすくなります。
口輪筋の弱さからガミースマイルになっている場合は、口輪筋を鍛えることで歯茎の露出を抑えることができます。
自力での改善が難しいケース
自力でガミースマイルの改善が難しいケースは、以下のとおりです。
- 重度のガミースマイル
- 骨格が原因で上顎が長い場合
- 歯並びや噛み合わせが大きく影響している場合
- トレーニングを続けても変化が見られない場合
上記の場合、歯科医師による専門的な治療が必要になる可能性が高まります。
詳しく見ていきましょう。
重度のガミースマイル
笑ったときに歯茎が3mm以上露出すると、ガミースマイルと判断されます。
重度のガミースマイルは、歯茎が10mm以上露出した状態、または、歯と同じくらいもしくは歯よりも歯茎の露出が大きい状態のことを指します。
歯茎の露出が大きければ大きいほど、自力での改善は見込めません。
歯科医院での専門的な治療を検討しましょう。
骨格が原因で上顎が長い場合
骨格が原因のガミースマイルは、自力での改善は非常に困難です。
歯科医院にて上顎の骨の状態を確認したうえで、矯正治療や外科手術による改善をご検討ください。
歯並びや噛み合わせが大きく影響している場合
歯並びや噛み合わせの問題は、自力のトレーニングだけでは改善できません。
歯並びや噛み合わせからガミースマイルになっている場合は、歯列矯正で改善することが可能です。
なお、歯並びや噛み合わせを改善しようと、ご自身の指や舌で歯に力をかけるとより悪化する恐れもありますので、お控えください。
トレーニングを続けても変化が見られない場合
本記事でご紹介するトレーニングを継続してもガミースマイルの改善が見られない場合、ほかの治療を検討する必要があります。
ガミースマイルは原因によって治療方法が異なります。
まずは原因特定のためにも、歯科医院でガミースマイルについても相談してみましょう。
ガミースマイルを自力で改善するためのトレーニング方法
軽度のガミースマイルの改善に効果が期待できるトレーニングをご紹介します。
- 表情筋トレーニング(口輪筋を鍛える、上唇のストレッチ、ウーイー体操)
- あいうべ体操
- 割り箸トレーニング
- 舌回しエクササイズ
- ストローを使った体操
ここからは、それぞれのトレーニング方法について詳しくご紹介します。
表情筋トレーニング
笑顔を作るために必要な筋肉のトレーニングを3つご紹介します。
口輪筋を鍛える
口輪筋の力が弱い場合、笑顔や会話の際に歯茎が目立ってしまうことがあります。
次のトレーニングで口輪筋を鍛えてみましょう。
- 口を閉じたまま、頬の内側に空気をためる
- 左右どちらかの頬に空気を移動させて10秒キープ
- 反対側の頬にも同じように空気を移動させて10秒キープ
- 2~3を5回ほど繰り返す
1日5分ほどを目安に、2~3ヶ月程度続けてみましょう。
上唇のストレッチ
上唇が過剰に引き上げられると、その分笑ったときに歯茎が目立ちやすくなります。
上唇の過度な引き上げを防ぐストレッチ方法を以下にご紹介します。
- 上唇を指で軽くおさえる
- 「にっこり」とした笑顔をゆっくり作る
- 5秒キープして顔の力を抜く
1日10回程度繰り返すことで、約2週間後には上唇の動きの改善を実感できるかもしれません。
ウーイー体操
口周りの筋肉をバランスよく鍛えるための体操です。
- 「ウー」と言いながら口をすぼめる
- 「イー」と言いながら口角を横に引く
1日10回ほど繰り返し、1ヶ月程度続けると効果が実感できるでしょう。
あいうべ体操
口元の筋肉のほか、舌の筋肉も鍛えられる体操です。
- 「あー」と言いながら口を大きく開けて1秒キープ
- 「いー」と言いながら口を横に広げて1秒キープ
- 「うー」と言いながら口を前に突き出すように唇をとがらせて1秒キープ
- 「べー」と言いながら舌をあご先に向かって伸ばして1秒キープ
- 1~4を10回繰り返す
上記を1日3セット繰り返すことで、口腔周囲筋を鍛えられます。
さらに、口呼吸の予防や改善、むくみ解消による小顔効果、たるみやしわの改善なども期待できます。
なお、顎関節症などで口を大きく開けると痛みが生じる場合は、痛みのない範囲であいうべ体操を行いましょう。
「いー」「うー」だけを繰り返しても効果は十分に見込めます。
割り箸トレーニング
割り箸を使った口角を引き上げるトレーニングです。
- 割り箸を割らずに歯でくわえる
- 割り箸よりも口角を上に上げて10秒キープ
- 表情を戻し、1~2を繰り返す
割り箸は左右の八重歯(糸切り歯・犬歯)でくわえるようにしましょう。
口角よりも、その上の筋肉を意識することがポイントです。
舌回しエクササイズ
口腔内や舌、顔全体の筋肉をバランスよく鍛えられるエクササイズです。
- 口を閉じる
- 唇と歯の間を舌でなぞるようにして、舌を回す
- 右回しを10回、左回しを10回行う
やりにくさを感じる場合、その部分の筋肉が弱い可能性があります。
苦手なほうを多く行うことで、より効果的なエクササイズとなるでしょう。
ストローを使った体操
口周りの筋肉のトレーニングに効果的な、ストローを使った体操です。
- 下あごを少し前に出す
- ストローを唇だけで軽くくわえる
- 30秒キープ
1日3回繰り返しましょう。
ストローを歯で噛まないことがポイントです。
生活習慣の改善でガミースマイルを目立たなくする方法
ガミースマイルには、無意識のクセや習慣が関わっていることがあります。
ガミースマイルが気になる方にとっては、治療だけでなく、生活習慣の改善が重要なアプローチとなることも。
以下を意識することで、ガミースマイルが目立たなくなる可能性があります。
- 口呼吸をやめて鼻呼吸を意識する
- しっかり噛んで咀嚼筋を鍛える
- 笑い方を工夫する
上記を実践することで、少しずつ変化を感じられるかもしれません。
具体的な方法について詳しく見ていきましょう。
口呼吸をやめて鼻呼吸を意識する
口呼吸が習慣化していると、口周りの筋力が衰えて上唇のコントロールが困難になり、ガミースマイルが目立ちやすくなることがあります。
まずは意識して、鼻呼吸を心がけましょう。
本記事で紹介した口周りの筋肉のトレーニングを実践するほか、睡眠中の口呼吸を改善するグッズの活用などもご検討ください。
しっかり噛んで咀嚼筋を鍛える
やわらかいものばかり食べていたり、噛む回数が少なかったりすると、咀嚼筋をはじめとする口周りの筋力の低下につながります。
野菜や果物など、しっかり噛む食材を意識的に取り入れて、自然に噛む回数を増やしましょう。
咀嚼を増やすことは顔の筋力増加とガミースマイルの改善だけでなく、胃腸への負担軽減や脳の活性化にも役立ちます。
笑い方を工夫する
笑ったときに歯茎が目立ってしまう原因のひとつに、笑い方が関わっている可能性もあります。
自然な笑顔を作るためには、顔の筋肉を柔軟に使うことが大切です。
本記事で紹介したトレーニングやエクササイズを通じて、口角を少しずつ上げるように意識して、過剰に顔を動かさないようにしましょう。
鏡の前で笑顔の練習をすると、無理なく笑えるようになります。
ガミースマイルを自力で治せない場合の選択肢
重度のガミースマイルや、原因が骨格にある場合、トレーニングをしても改善が見られない場合は、歯科医院での治療を検討しましょう。
ガミースマイルに対して行われる治療は以下のとおりです。
- 矯正治療:歯並びや噛み合わせが原因のガミースマイルに適している
- ボトックス注射:上唇の過剰な引き上げを抑制する
- 歯肉整形:歯茎を切除して目立たないようにする
- 外科手術:骨格が原因のガミースマイルに適している
ガミースマイルの原因はさまざまです。
複数の原因からガミースマイルになっていることもあります。
ガミースマイルでお悩みの場合は、まず歯科医院で原因を特定したうえで、適切な治療法を選択することが大切です。
関連記事
・重度のガミースマイルは治せる?特徴や治療法、費用を徹底解説
・ガミースマイルは矯正で治らない?原因と追加治療の選択肢を解説
まとめ
ガミースマイルは、原因によっては自宅でのトレーニングや生活習慣の改善で目立ちにくくなることがあります。
ただし、重度のガミースマイルの場合は、歯科医院での治療が必要になることも。
本記事を参考に、自分に合った改善方法や治療方法を見つけて、笑顔に自信を持ちましょう。

コラム監修者
- はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック 院長 平山脩
- 岡山大学歯学部卒業後、岡山大学病院総合歯科に勤務。その後、大阪市内の歯科医院に勤務し、はぴねす歯科緑地公園駅前クリニックに勤務。2022年11月、はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック院長に就任。
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