ガミースマイルは遺伝する?原因や治療法、予防のポイントを解説

ガミースマイルは、笑ったときに歯ぐきが大きく見える状態を指します。

印象に大きな影響を与えるため、ガミースマイルをコンプレックスに感じている方も少なくありません。

ガミースマイルにお悩みの方のなかには、「ガミースマイルは遺伝するって本当?」「日常生活の中でガミースマイルを予防できる?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。

そこで、今回は以下の内容について解説します。

  • ガミースマイルは遺伝する?
  • ガミースマイルの遺伝性に関する主な原因
  • ガミースマイルの遺伝性以外の主な原因
  • が三―スマイルの治療
  • ガミースマイルは自然に治る?

この記事を読むことで、ガミースマイルの原因や遺伝との関係性を正しく理解し、適切な予防法・治療法を選択できるようになります。

ガミースマイルでお悩みの方は、ぜひご参考にしてください。

歯列矯正をご検討中の方はお気軽にご相談ください!

ガミースマイルは遺伝する?

ガミースマイルの原因として、骨格や歯並び、歯ぐきの状態、上唇挙筋などの筋肉の発達具合などが挙げられます。

骨格や筋肉の特徴は遺伝によるところも大きいため、両親がガミースマイルの場合、子どももガミースマイルになる可能性は高まります。

ガミースマイルが遺伝する確率

両親がガミースマイルだからといって、子どもが100%ガミースマイルになるわけではありません。

反対に、両親や親族にガミースマイルがいない場合でも、子どもがガミースマイルになる可能性はあります。

ガミースマイルに遺伝的要因は関与しているものの、後天的な要因も影響するため、一概に遺伝だけが原因とは言い切れないためです。

ガミースマイルの遺伝性に関する主な原因

ガミースマイルに関連するとされている遺伝的要因は、次のとおりです。

  • 骨格の形状
  • 歯ぐきの形
  • 歯の形態

それぞれについて詳しく解説します。

骨格の形状

上顎骨が前に突き出していたり、上あごが下あごに比べて発達していたりすると、ガミースマイルになる可能性が高まります。

上顎骨が前に出ている状態は「上顎前突」と呼ばれ、いわゆる「出っ歯」を引き起こします。

上顎前突(出っ歯)は歯と歯ぐきが前に出っ張った状態のため、上唇が押し上げられ、ガミースマイルが生じやすいのです。

また、上顎骨が縦に長く、面長な場合も、ガミースマイルになる可能性があります。

歯ぐきの形

歯ぐきが発達し、歯に被さっている場合も、ガミースマイルになる可能性が高まります。

一般的には、笑ったときに歯ぐきが3mm以上見えるとガミースマイルと判断されます。

そのため、歯ぐきの面積が大きいと、ガミースマイルになりやすくなるのです。

歯の形態

歯自体の長さ・大きさや、歯の生えている位置も、笑顔の印象を左右します。

歯が短い・小さい場合、または歯の生えている位置が低い場合は、相対的に歯ぐきが目立ってしまうため、ガミースマイルになりやすくなります。

また、噛み合わせの問題により、ガミースマイルになってしまうケースも。

噛んだときに上の歯が下の歯に覆い被さる「過蓋咬合」では、歯ぐきが多く見えてしまうため、ガミースマイルと判断されやすくなります。

上記以外にも、ガミースマイルを引き起こす上唇の薄さや上唇を持ち上げる上唇挙筋の発達具合などには、遺伝性があるとされています。

ガミースマイルの遺伝性以外の主な原因

続いて、ガミースマイルを生じさせる後天的な原因をご紹介します。

  • 生活習慣
  • 指しゃぶりや舌癖

それぞれについて詳しく解説します。

生活習慣

成長期の食生活や幼少期の栄養状態は、歯や骨の発育に大きな影響を与えます。

とくに気をつけるべきはビタミン不足です。

ビタミンが不足すると、歯のサイズが小さくなったり、歯の表面のエナメル質の形成に異常をきたしたりすることがあり、ガミースマイルになる可能性が高まります。

また、ストレスなどにより、日常的に歯の食いしばりや歯ぎしりをしていると、歯がすり減って小さくなってしまいます。

歯のサイズが小さくなると、その分歯ぐきが目立ち、ガミースマイルになりやすくなります。

歯の食いしばりや歯ぎしりについては、歯科医院でマウスピースを作製して予防することが可能です。

指しゃぶりや舌癖

幼少期の指しゃぶりがなかなか治らなかった場合や、舌で前歯を押し出す癖があると、上の前歯が前に突出し、ガミースマイルになりやすくなってしまいます。

また、頬杖も噛み合わせの悪化を招き、ガミースマイルになる可能性を高めます。

ガミースマイルの治療

ガミースマイルの治療には、大きく分けて次の2つの方法があります。

  • 矯正治療
  • 外科手術

場合によっては、矯正治療と外科手術を組み合わせることもあります。

ここからは、それぞれの治療法について詳しく解説します。

矯正治療

上顎の突出や歯並びが原因でガミースマイルになっている場合の改善に適した治療法です。

矯正治療には次の2つの方法があります。

  • ワイヤー矯正
  • マウスピース矯正

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットを貼り付け、そこにワイヤーを通して歯を移動させていく方法です。

マウスピース矯正は透明なマウスピースを装着して歯を移動させる方法で、ワイヤー矯正よりも適応症例は限られています。

また、ワイヤー矯正とマウスピース矯正を組み合わせた矯正方法もあります。

外科手術

ガミースマイルに対して行われる外科手術は、次のとおりです。

  • 上唇粘膜切除術
  • 歯肉整形
  • 歯冠長延長術
  • 上顎骨切り手術(ルフォーⅠ型手術)

上唇粘膜切除術は、上唇の動きが大きいためにガミースマイルになっている方に適した手術です。

上唇の動きを制限するために、上唇の内側の粘膜と歯ぐきの一部を切除して縫い合わせます。

上唇を引き上げる上唇挙筋に対するボトックス注射と併用されるケースもあります。

歯肉整形や歯冠長延長術は、歯ぐきの面積が大きい方、歯が小さいために歯ぐきが目立ってしまう方に適した手術です。

笑ったときに見える歯ぐきの面積を減らすために、歯ぐきを切除します。

上顎骨切り手術は、骨格が原因のガミースマイルに適した手術です。

上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)、開咬(オープンバイト)、顔面の左右非対称などに対しても行われます。

上顎骨を切除して移動させるため、数日~1週間程度の入院が必要になることがほとんどです。

ガミースマイルは自然に治る?

成人のガミースマイルが自然に治ることはほぼありません。

ガミースマイルは複数の原因が重なって起きていることも多いため、歯科医院で診断を受け、適切な治療を受けることが改善への近道です。

一方、小児のガミースマイルは永久歯への生え変わりのタイミングで改善されるケースもありますが、基本的には歯科医師のもとで治療を受けることが推奨されます。

血縁にガミースマイルの方がいる場合や、お子様にガミースマイルが遺伝していないか心配な場合は、早めに歯科医師へご相談ください。

歯や顎の成長に合わせた治療で、ガミースマイルの改善を目指せます。

まとめ

ガミースマイルは遺伝的要因が大きいものの、後天的な生活習慣や癖によっても生じることがあります。

本記事でガミースマイルが生じる原因について理解し、ご自身に合った治療法で改善を目指しましょう。

当院のガミースマイルの矯正治療

平山脩

コラム監修者

はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック 院長 平山脩
岡山大学歯学部卒業後、岡山大学病院総合歯科に勤務。その後、大阪市内の歯科医院に勤務し、はぴねす歯科緑地公園駅前クリニックに勤務。2022年11月、はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック院長に就任。

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