予防歯科
予防歯科とは
予防歯科とは、むし歯や歯周病になってから治療するのではなく、むし歯や歯周病になる前に予防する、または早期発見により治療を最小限に抑えることを言います。
なぜ予防歯科が大切なのか
昨今、予防歯科の考え方がさまざまな歯科医院に広まり、定期的な通院をされる方も増えています。
なぜ予防歯科の考え方が広まっているのか、その大切さについて記します。
治療した歯は決して元には戻らないから
基本的に歯の治療では、天然の歯が元通りになることはありません。
例えば、むし歯治療をする際にはむし歯の部分を削り、そこに人工の詰め物をします。
詰め物も発達し、良い素材もたくさん出てきていますが、それでも天然の歯に勝るものはありません。
治療をしないで済むのであれば、それがベストであると考えます。
大きな治療を防ぎ、治療費を抑えることができるから
むし歯になり歯の根の治療をしないといけなくなったり、歯周病で歯を抜かなければならなくなったりした際には、入れ歯やブリッジ、インプラントなどの治療が必要になります。
入れ歯などには噛み心地の問題やメインテナンスの手間などさまざまある中、快適な治療を選択しようとすると、何十万円や何百万円といった治療になる可能性があります。
予防的に定期通院されている方とそうでない方と比較をした場合、定期通院されている方の方が安価に抑えられるという統計もあるように、治療費を抑えられるということもメリットです。
いつまでも自分の歯で食事を楽しめる可能性が高まるから
自分の歯で噛めることのメリットはたくさんあります。
例えば、入れ歯やブリッジなどよりもよく噛むことができるため、固いものや歯ごたえのあるものも美味しく食べることができます。
またよく噛めることにより、消化を促す唾液が促進されたり、脳が活性化したりします。
さらには、噛めるということは運動能力にも関わることであり、体の健康維持に役に立ちます。
痛い、怖い治療をする確率が減るから
歯医者さんは、怖い場所、痛い場所と考える方もいるかもしれません。
しかし予防歯科をおこなっている場合、大きく歯を削る、むし歯や歯周病がきっかけで歯を抜く、歯肉を切って治療するなど、体に負担をかける治療をする確率を減らすことができます。
例えば、むし歯が進行しない場合や、非常に軽度な場合は、経過観察をおこなって歯を削るアプローチをしないことも。
予防歯科でおこなうことは、痛い怖いよりも、気持ちよく快適なことが多かったりもします。
痛くなってから通院するのではなく、痛くなる前に通院することが予防歯科では当たり前になります。
予防歯科で行うこと
予防歯科でおこなうことについて紹介します。
定期的な検診
レントゲンなどを用いて、歯の状態の確認したり歯周ポケットの深さの確認したり、歯の動揺具合の確認したり様々な観点から、現状の歯の状態を確認します。
むし歯や歯周病が見つかった場合は、それらの治療が必要になります。
歯を定期的に検査することで、健康が保たれているのか、悪い状態になっているのかなどを確認することができるため、定期的な検査は非常に重要です。
プラーク(歯垢)・バイオフィルム、歯石の除去
プラークは、歯周病やむし歯のリスクを高めます。
よってむし歯や歯周病を予防するには、プラークの除去が有効です。
日々の歯磨きでのプラークの除去が大切であることは大前提ですが、正しい歯磨きができてプラークを日々、完全に除去できている人は実はほとんどいません。
そのため、歯科医院のプロフェッショナルなケアでプラークを除去することも大切です。
また歯石は、プラークが石灰化し硬くなったもの。
歯石は細菌の温床であり除去することが望ましいものです。
歯石は、歯科医院のクリーニングでしか除去することができません。
このようにプラークや歯石を徹底的に除去することで、むし歯・歯周病を予防していきます。
また軽度の歯周病の患者様の場合、クリーニングは保険適用で実施することも可能です。
フッ素塗布
フッ素は3つの観点から虫歯予防に効果的と考えられています。
- 歯の再石灰化の促進
- プラークを作る細菌の働きを抑制
- 歯自体を細菌の吐き出す酸に強い構造へ(歯質強化)
むし歯は、糖質を取り込んだ細菌が吐き出す酸によって、歯を溶かしていく病気(脱灰)です。
詳しくはむし歯のページをご覧ください。
フッ素は自然界や食品などにも存在する物質で安全な物質です。
むし歯予防に効果があるという明確な根拠があるため、さまざまな世界的機関から使用が推奨されています。
大事なことは、ホームケアとプロフェッショナルケアの両立
予防歯科は自宅などでおこなう「ホームケア」と歯科医院でおこなう「プロフェッショナルケア」の両軸でおこなっていくことが大切です。
自宅でしっかり歯を磨いているから、歯科医院に定期的に通院しているから、のどちらか一方ですとむし歯や歯周病が進行する確率は高まるといえるでしょう。
よくある質問
どうして日々の歯磨きだけでは、予防歯科は充分ではないのですか
歯磨きでは、どうしても磨き残しが残ってしまいます。磨き残しがあると、歯垢(プラーク)ができ、それがやがて歯石に変わります。そのため定期的に歯科医院に通うことで、歯石や磨き残しをチェックでき、また自身の歯磨きの癖を治すことで磨き残しを減らすことができるようになります。
フッ素は危険だと見たことがありますが、大丈夫でしょうか。
フッ素は、自然な食品にも含まれる安全性の高い成分です。単なる水も異常な量を摂取すると水中毒を引き起こしますが、フッ素も通常ではありえないほど異常な量を摂取すると当然ながら危険性があります。歯磨き粉に含まれる量であれば、まったく問題ないとお考え下さい。
歯石とりが複数回になる理由はなんですか?
歯石の量が多い場合や、歯周ポケットの中の歯石とりをおこなう場合、また保険の決まりなどで歯石とりが複数回になることがあります。また患者様側の立場にたったときも、口を開けっ放しにするのは相当大変なことです。さまざまな理由から、歯石とりが複数回になっています。
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