ガミースマイルの矯正費用はいくら?保険適用される?

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ガミースマイルとは、笑ったときに歯茎が3mm以上見えてしまう状態のことです。

ガミースマイルの治療として歯列矯正を検討している方のなかには、「費用はいくらくらいかかるの?」「健康保険は適用される?」と疑問をお持ちの方も多いでしょう。

ガミースマイルの治療費用は、治療方法や歯科医院によって大きく異なります。

そこで、今回は以下の内容について解説します。

  • 歯列矯正によるガミースマイル治療費用
  • 歯列矯正以外のガミースマイル治療費用
  • 子どものガミースマイル治療費用
  • ガミースマイル治療の注意点

この記事を読むことで、ガミースマイルの改善にかかる費用や注意点について理解したうえで、治療方法を選べるようになります。

ガミースマイルにお悩みの方は、ぜひ治療計画を立てる参考にしてください。

歯列矯正によるガミースマイル治療費用

歯並びや噛み合わせが原因のガミースマイルは、歯列矯正によって改善できます。

ガミースマイルに対して行われる歯列矯正の種類は、以下のとおりです。

  • ワイヤー表側矯正
  • ワイヤー裏側矯正
  • マウスピース矯正
  • セラミック矯正

それぞれの矯正治療の特徴と、費用の相場についてご紹介します。

ワイヤー表側矯正

ガミースマイルに対するワイヤー表側矯正の費用相場は、60~130万円です。

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットという装置を取り付け、そこにワイヤーを通して歯に力をかけて移動させていく治療方法です。

多くの症例に対応できる点はメリットですが、矯正装置が目立ちやすいため、敬遠する方も少なくありません。

ワイヤー裏側矯正

ガミースマイルに対するワイヤー裏側矯正の費用相場は、100~170万円です。

歯の裏側に矯正装置を取り付けるため、表側矯正と比べてはるかに目立ちにくいというメリットがあります。

一方で、担当する歯科医師には経験と技術が求められる、高度な治療でもあります。

そのため、表側矯正よりも費用相場は高くなりがちです。

マウスピース矯正

ガミースマイルに対するマウスピース矯正の費用相場は、60~100万円です。

透明で薄いマウスピース(アライナー)を患者さまご自身で装着して、歯を動かしていく矯正方法です。

ワイヤー矯正に比べて歯にかける力が弱いため、痛みや違和感が生じにくいところが大きなメリットです。

ただし、マウスピースは1日20時間装着することが求められます。

また、対応できる症例もワイヤー矯正より少ないため、場合によってはワイヤー矯正との併用なども検討されます。

関連記事:ガミースマイルはマウスピース矯正で治せる?原因別に治療法を解説

セラミック矯正

ガミースマイルに対するセラミック矯正の費用相場は、1本あたり5~10万円です。

セラミック矯正は、歯を移動させる治療ではありません。

歯茎が目立つ部分にセラミック製の被せ物をすることで、見た目上の改善を目指す方法です。

そのため、ガミースマイルの根本的な改善とはならない点には注意しましょう。

また、セラミックを被せる前に健康な歯を削る必要があることもデメリットです。

関連記事:ガミースマイルは矯正で治らない?原因と追加治療の選択肢を解説

歯列矯正以外のガミースマイル治療費用

歯並びや噛み合わせ以外の原因でガミースマイルになっている場合は、以下の治療が検討されます。

  • ボトックス治療
  • 歯肉整形(歯冠長延長術)
  • 上唇粘膜切除術

ここからは、それぞれの治療の特徴と費用の相場についてご紹介します。

ボトックス治療

ガミースマイルに対するボトックス治療の費用相場は、1回あたり1~5万円です。

ボトックス治療とは、ボツリヌス菌から取り出したボツリヌストキシンという毒素を弱毒化したものを筋肉に注射するものです。

ガミースマイル改善の際には、上唇を引き上げる働きのある「上唇挙筋」にボトックス注射を打ちます。

上唇の過剰な引き上げを抑制して、ガミースマイルの改善を目指すのです。

ただし、ボトックス治療の効果は永続的なものではありません。

3~6ヶ月ごとに注射を繰り返す必要があります。

歯肉整形(歯冠長延長術)

ガミースマイルに対する歯肉整形(歯冠長延長術)の費用相場は、4~40万円です。

歯茎と骨を外科的に整えるため、後戻りしにくいというメリットがあります。

ただし、1~2週間ほどのダウンタイムを必要とするため、手術のタイミングには注意が必要です。

上唇粘膜切除術

ガミースマイルに対する上唇粘膜切除術の費用相場は、4~30万円です。

上唇粘膜切除術とは、上唇が上がりすぎないようにするために、口腔内の粘膜の一部を切除する治療法です。

ボトックス治療と組み合わせて行うこともあります。

子どものガミースマイル治療費用

子どものガミースマイル改善では、大人とは異なる以下のような治療法が選択されます。

  • 噛み合わせの矯正
  • ヘッドギアによる矯正
  • MFT(口腔筋機能療法)

詳しく見ていきましょう。

噛み合わせの矯正

子どものガミースマイルに対する噛み合わせ矯正の費用相場は、20~100万円です。

子どものガミースマイルは過蓋咬合(オーバーバイト)が原因であることも多いため、歯列矯正による噛み合わせの調整で改善できるケースがあります。

ただし、子どものあごの成長具合によって、矯正方法は異なります。

矯正時期や矯正方法によって費用が変動しやすい点には注意しましょう。

ヘッドギアによる矯正

子どものガミースマイルに対するヘッドギア矯正の費用相場は、20~30万円です。

小児矯正のI期治療のひとつであり、主に出っ歯(上顎前突)の傾向が強い子どもに対して行われます。

ヘッドギアの装着によって上顎を後ろに引っ張り、上顎の過剰な発育を抑制してガミースマイルの改善を目指します。

MFT(口腔筋機能療法)

子どものガミースマイルに対するMFTの費用相場は、1回あたり3,000~10,000円です。

筋肉の動きに問題がある場合に選択されます。

口腔周囲筋の機能改善を目的としており、指しゃぶりや舌の動きのクセなどを改善しながらガミースマイルの緩和を目指します。

ガミースマイル治療の注意点

ガミースマイルの治療方法は、以下のような注意点をおさえて選択することが大切です。

  • 治療法は原因に合わせる必要がある
  • 保険適用は限定的
  • 医療費控除の活用

詳しく解説します。

治療法は原因に合わせる必要がある

ガミースマイルの原因はさまざまで、複数の原因からガミースマイルが生じていることも少なくありません。

ガミースマイルの原因ごとに適した治療法を、以下にまとめました。

  • 歯並び・噛み合わせの問題:歯列矯正
  • 上唇挙筋の過剰な発達:ボトックス治療
  • 骨格や歯茎の問題:外科的治療

治療開始前に原因をある程度特定し、その原因に応じた治療法を選択することが、ガミースマイル改善への近道です。

保険適用は限定的

ガミースマイルの改善は審美目的と見なされるため、基本的には保険適用外(自由診療)となります。

ただし、「顎変形症」と診断された場合は、歯列矯正と外科手術が保険適用で受けられる可能性があります。

また、小児で「口腔機能発達不全症」と診断された場合には、MFT(口腔筋機能療法)を保険適用で受けられるケースがあります。

かなり限定的ではありますが、まずは歯科医院で保険適用で治療を受けられるかを相談してみましょう。

医療費控除の活用

咀嚼機能など身体的機能の改善を目的にガミースマイルの治療を行った場合は、医療費控除で自己負担額を軽減できる可能性があります。

医療費控除とは、年間の医療費の総額(生計をともにする配偶者や親族との合算可)が10万円を上回った場合、確定申告書に「医療費控除の明細書」を添付することで、控除を受けられる制度です。

ただし、審美目的のみでガミースマイル治療を行った場合は、医療費控除の対象にはなりません。

まとめ

ガミースマイルの治療費は、原因や治療方法、年齢によって大きく異なります。

基本的に自由診療のため、治療費は全額自己負担となるケースがほとんどですが、歯科医師の診断によっては保険適用や医療費控除が受けられる場合もあります。

本記事を参考に、まずは自分に適した治療法と費用感を把握し、信頼できる歯科医院で相談してみましょう。

当院のガミースマイルの矯正治療

平山脩

コラム監修者

はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック 院長 平山脩
岡山大学歯学部卒業後、岡山大学病院総合歯科に勤務。その後、大阪市内の歯科医院に勤務し、はぴねす歯科緑地公園駅前クリニックに勤務。2022年11月、はぴねす歯科・矯正歯科尼崎駅前クリニック院長に就任。

はぴねす歯科グループ